九つのグラン・クリュ畑を擁するブルゴーニュ・ワインの王様【ジュヴレ・シャンベルタン 〜Gevrey-Chambertin〜】

←クリック  

 ブルゴーニュ地方の中で最高級のワインを生む「コート・ドール(仏語でCote d'Or、意味は黄金の丘)」は、ディジョンの南にあるマルサネから約60kmにわたって南北に延びる、幅平均500mほどのベルト状の葡萄畑で、この中に26の生産村が連なっています。

 東向きの斜面は、秋になると黄色く色づいた葡萄の葉が太陽の光を浴びて金色に染まることから「黄金の丘」と名付けられたのでしょうか? それとも、黄金の価値があるほどの偉大な銘醸ワインを産み出す丘陵だからでしょうか?

 このブルゴーニュ・ワインの中心地コート・ドールは二つに区分され、最も北にある始点のマルサネ村からコルゴロワン村までの北部がコート・ド・ニュイ(Cote de Nuits)、コルトンの丘の麓のラドワ・セリニー村から最も南の終点マランジュ村までの南部がコート・ド・ボーヌ(Cote de Beaune)です。  このコート・ドールにある26の村の風景は一様ではなく、起伏のある斜面、切り立った谷などそれぞれが多彩な表情を持ち、それぞれの葡萄畑の位置によって、土壌や日当たり等が異なり、これがワインにも影響を及ぼすのです。

 

 パリからTGVで1時間半ほどの距離にあるフランスの食卓とも呼ばれる都市、ディジョンからは国道74号が南に向かって伸びていますが、この国道の西側に国道とほぼ並行して走っているのが、県道122号線で、これが別名「グラン・クリュ街道」(Route des Grands Crus)です。

 

 

 この街道を走って、最初にグラン・クリュとぶつかるのがジュヴレ・シャンベルタン村に入ってからです。最初にマジ・シャンベルタンと出会った後は、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズ、シャペル・シャンベルタン、そしてブルゴーニュの王様シャンベルタンの畑が綺羅星の如く左右に次々に並ぶ様はとても壮観です。

 さて、下の写真。ロマネ・コンティの十字架と並んでコート・ドールを訪れた観光客が必ず撮影するお約束とも言える写真ですが、写真中の小さな小屋はドメーヌ・ピエール・ダモワ(Domaine Pierre Damoy)の作業小屋です。実はこのピエール・ダモワは15.38haの特級畑シャンベルタン・クロ・ド・ベーズを5.36haも所有している一番の大地主なのです。ドメーヌを名乗っていますので、他社へ葡萄を販売するネゴシアン事業の他に、自分のエチケットのクロ・ド・ベーズをリリースしており、近年品質向上はしているものの、この作業小屋の方が写真スポットとして大人気になっているように思います。

 ところでこの写真の右端に[CHAMBERTIN]の看板がありますが、この看板には[Ici Finit le CHAMBERTIN](ここでシャンベルタンの畑は終わり)と書いてあります。(ちなみに看板の裏側には[Ici Commence le CHAMBERTIN]「ここからシャンベルタン畑の始まり」と書かれており、グラン・クリュ街道を北上しても南下してもシャンベルタンの畑の範囲が分かるようにしてあるのです。)

 ところがこの看板はシャンベルタン・クロ・ド・ベーズとマジ・シャンベルタンの境にあるので、写真中の小道を挟んだ右側の畑はマジ・シャンベルタン、左側の畑はシャンベルタン・クロ・ド・ベーズです。つまり、シャンベルタン・クロ・ド・ベーズはシャンベルタンを名乗れるので、この看板ではこの別格の二つの畑は一緒に扱われているようです。参考までにこの地点からグラン・クリュ街道をもっと南に行ったラトリシエール・シャンベルタンとシャンベルタンの畑の境にも同じ看板が立っています。

 

 下にジュヴレ・シャンベルタン葡萄畑の概略地図を掲載します。これは当店店長がブルゴーニュワイン大全等の資料を基にエクセルで描画した概略図ですので縮尺(畑の広さ)は正確でありませんが、畑の位置関係の理解には役立つと思いますので参考にして下さい。ちなみに上述したピエール・ダモワの作業小屋と看板の位置はどこか分かりますか?

9つの特級畑とその栽培面積は次の通りです。また、別格の特級畑シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズについては、その主要所有者と区画図を示したオリジナル地図を当ページの最後に掲載していますので、ぜひご覧下さい。

.轡礇鵐戰襯織(Chambertin) 12.90ha

▲轡礇鵐戰襯織鵝Εロ・ド・ベーズ(Chambertin-clos de Beze) 15.38ha

リュショット・シャンベルタン(Ruchottes-Chambertin) 3.07ha

ぅ泪検Ε轡礇鵐戰襯織(Mazis-Chambertin) 9.10ha

ゥ轡礇撻襦Ε轡礇鵐戰襯織(Chapelle Chambertin) 5.48ha

Ε哀螢ット・シャンベルタン(Griotte-Chambertin) 2.69ha

Д轡礇襯燹Ε轡礇鵐戰襯織(Charmes-Chambertin) 12.24ha

┘薀肇螢轡─璽襦Ε轡礇鵐戰襯織(Latricieres-Chambertin) 7.35ha

マゾワイエール・シャンベルタン(Mazoyeres-Chambertin) 18.58ha

 これら9つの特級畑の周辺にも幾つかの一級畑はありますが、クロ・サン・ジャックを始めとする著名かつ秀逸な一級畑は村北部の標高290m〜350mのコート・ド・サン・ジャック(サン・ジャック=聖ヤコブの丘)と呼ばれる地帯に集中しています。

 ジュヴレ・シャンベルタンは、コート・ドール最大の村で約550ha の葡萄畑を持っています。この村にある特級畑は9、一級畑は26で、これ以外の約360haが村名格の畑で、条件があまり良くない国道74号の東側にも広がっています。  従って、ジュヴレ・シャンベルタンのAOC村名ワインは、生産量も多く、品質もまさにピン・キリなので、村名ジュヴレ・シャンベルタンにはあまり良い印象を持っていない方も多いようです。

 

 同じ畑に複数の生産者が存在するブルゴーニュでは、畑の名前だけではなく、生産者の名前でワインを買うことが重要なのです。

 当店では、ジュヴレ・シャンベルタンというよりブルゴーニュで最も偉大な生産者「ドメーヌ アルマン・ルソー」及び現在最も入手困難と言われる超人気生産者「ドメーヌ・フーリエ」、カルト的な人気を誇るいとこ同士の「ドメーヌ・クロード・デュガ」と「ドメーヌ・ベルマール・デュガピィ」、先代が両者とも天才醸造家とも呼ばれた「ドメーヌ・ドニ・モルテ」と「ドメーヌ ユベール・リニエ」、そしてルイ・ラトゥール家から婚姻により銘醸畑を継承したものの何故かアルマン・ルソーに売却し、今や幻のシャンベルタンとなってしまった「ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン」の商品を掲載しています。また、デュジャックやルーミエなど、他の村に本拠を置き、ジュヴレ・シャンベルタンに畑を所有する有名ドメーヌも併せて掲載しています。 各取扱い商品については、下の生産者名をクリックしてご覧下さい。
[ 並び順を変更 ] - おすすめ順 - 価格順 - 新着順
全 [50] 商品中 [1-12] 商品を表示しています 次のページへ




全 [50] 商品中 [1-12] 商品を表示しています 次のページへ
【ありそうで、ないシャンベルタンの区画図】

 皆様は、ジュヴレ・シャンベルタンの9つのグラン・クリュの中でも別格の特級畑シャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズの畑の区画図をご覧になったことがありますか?ブルゴーニュワイン大全等には主要所有者の所有面積は掲載されているのですが、区画図はなかなか見つけることができませんでした。

 

 そこで、これまでに色々な資料を探し、それらを組み合わせて、ようやくシャンベルタンとシャンベルタン・クロ・ド・ベーズの所有者とその区画図を表した地図を作製しましたので、下に掲載します。この地図は当店店長がエクセルで描画したオリジナルで、縮尺は実寸とは異なりますが畑の主要な所有者と位置関係及び面積が把握できますので参考にして下さい。

この地図を見るとこの別格の二つの特級畑をバランスよく所有しているのはルソー家だけですので、ジュヴレ・シャンベルタンにおけるアルマン・ルソーの偉大さがよく分かりますね。

【おまけ:雑学豆知識】

 コート・ドールの村の多くが、その村の中で一番有名な葡萄畑の名前を村名の後につけています。ジュヴレ・シャンベルタン村は、この方式で村名を変更した最初の村です。

 

 初め、ジュヴレ・アン・モンターニュ村だったこの村は、1847年にワインの王様シャンベルタンの名前を加え、ジュヴレ・シャンベルタン村と改称します。これ以降この方式での改名は1878年シャンボール・ミュジニー、1879年シャサーニュ・モンラッシェ、1892年ニュイ・サン・ジョルジュ等へと続き、1927年のモレ・サン・ドニで最後となります。

 

 同時にこれらの村名が、原産地呼称(AOC)制度として発達・確立してゆくのですから、歴史的にもジュヴレ・シャンベルタンはブルゴーニュワインの王様と言えるのです。

Your recent history

Category

Recommended