大手メゾンが集まるコート・ドールの中心地

ブルゴーニュワインの首都 【ボーヌ 〜Beaune〜】

 ブルゴーニュワインの首都と呼ばれているボーヌの人口は約2万3千人で、コート・ドール最大の町です。この町がブルゴーニュワインの首都と呼ばれる所以は、ブルゴーニュのワインビジネスの中心地であるためです。ブシャール・ペール・エ・フィス、ジョセフ・ドルーアン、ルイ・ジャド、ルイ・ラトゥールなど多くの大手老舗ネゴシアンがボーヌに本拠を構えています。

 これら老舗ネゴシアンは中世の城壁に一部を囲まれた内側の歴史的建造物に本拠を構え、城壁の外側にある最新設備を備えた醸造所でワインを造っています。

 今日のブルゴーニュワインの原型を確立したのは中世のキリスト教勢力ですが、フランス革命で壊滅的な打撃を受けた後、コート・ドールのワインをフランス国内だけでなくヨーロッパ全域に広めたのは1720年に初めて登場したこれらネゴシアン達でした。その意味でもボーヌはフランスのワイン史において重要な役割を果たした土地であり、ボーヌの住民は富裕層が多く誇り高いと言われます。

 大手ネゴシアンが集中しているボーヌでは、現在のネゴシアンの変貌した姿を理解しなければなりません。第一次世界大戦の戦禍に世界恐慌が加わったワイン不況の1930年代に一部でドメーヌ元詰めが開始されます。当初は小さなドメーヌの販売力が大きなネゴシアンに及ぶはずはなく、ネゴシアンの優位は1980年頃まで続きます。しかし、1980年台以降、秀逸なドメーヌ物のワインを集め、世界的に販売するクルティエが登場すると同時に、自らの手で葡萄を育て、醸造、元詰めまで一貫して造られたドメーヌ物のワインの方が優れているに違いないと考える愛好家たちに支えられて、フランス国内外市場で徐々に頭角を現し始めます。

 この事態に及んでネゴシアンも傍観することができなくなりました。これまで高品質な葡萄を供給してくれていた栽培農家が次々にドメーヌ元詰めを始めれば商売あがったりになるからです。従って、このドメーヌ元詰めワインに対抗するためには、自分たちで管理できる自前の葡萄畑の規模を広げ、設備投資や優秀な醸造家を雇用し、ワインの品質を高めるより他に方法はないと考え、ネゴシアンのドメーヌ化が加速していきます。もはや従来のように買い葡萄による大量生産ではないのです。「広大な葡萄畑を所有し、自らワインを醸造・販売し、世界にブルゴーニュワインの魅力を知らしめる」ことが今日の大手ネゴシアンのポリシーであり、このダイナミズムは潤沢な資金と葡萄栽培やワイン醸造・販売について高度のノウハウを持つネゴシアンならではのものと言えるでしょう。

 今日、大手ネゴシアンが自社で所有する葡萄畑は、ルイ・ジャド社を例にとると銘醸特級・一級畑を中心に210haにも及んでおり、最新の醸造設備と卓越した醸造責任者ジャック・ラルディエールを擁するまさに「大ドメーヌ」という存在となっています。逆にドメーヌがビジネスの規模を広げるために、ネゴシアンを並行して運営する例も増えており、もはやネゴシアンとドメーヌの垣根は取り払われたと言えます。

 

さて、下の地図はボーヌ葡萄畑の概略図です。この地図は当店の店長が資料を基にエクセルで描画したもので、縮尺や形状は正確ではありませんが、ボーヌの葡萄畑の概略はご理解いただけると思います。

 アペラシオンとしてのボーヌのワインは、一級畑が畑全体の約75%を占めるという特徴があります。特級畑はありませんが、一級畑の数は42で、面積は337.12haもあり、村名格ボーヌの138.21haを大きく上回っており、一級畑の認定を乱発しているとの悪評も一部にはあります。

 一般的にはボーヌの赤は果実味を身上とし、タンニンのしっかりしたストラクチャーを持ち香りのバランスがとれているワインが多いと言えますが、町の中央部を通るブーズ背斜谷を境に、アペラシオン北部では力強く野性的で堅牢だが長く熟成するタイプに、一方、アペラシオン南部ではシルキーで丸みを帯びたエレガントなタイプとなります。

 ボーヌ最良の一級畑はレ・グレーヴ、レ・トゥーロン等中央部にありますが、やはり知名度の高いボーヌの銘酒と言えば次の三つがあげられるでしょう。これらはいずれも大手メゾンのドメーヌ物のフラッグ・シップワインです。

1.ブシャール・ペール・エ・フィスの

「ボーヌ一級レ・グレーヴ ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェジュ」

2.ジョセフ・ドルーアンの

「ボーヌ一級クロ・デ・ムーシュ」

3.ドメーヌ・デ・エリティエ・ルイ・ジャドの

「ボーヌ一級レ・ヴィーニュ・フランシェ クロ・デ・ズルシュール」

 

もちろんこれ以外にも個性豊かなクリマが多く、ボーヌのワインはコストパフォーマンスの高いことも魅力です。

ルイ・ジャド、ブシャール・ペール・エ・フィス、ルイ・ラトゥール、ジョセフ・ドルーアンなど大手ネゴシアンが集まるボーヌだけにこれらネゴシアンのワインが目立ちますが、この中にあって小規模ながらボーヌを代表する造り手がアルベール・モロです。7つのボーヌ一級畑を所有し、長期熟成ワインで知られるアルベール・モロは、新樽をあまり使わず、素朴な造りをするまさに「玄人好みの生産者」でボーヌのアペラシオンを知る上で最良の教科書と言える存在です。

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