〜Domaine Maume〜

 特級マジ・シャンベルタン随一の造り手  

【ドメーヌ・モーム】


 特級マジ・シャンベルタン随一の造り手がドメーヌ・モームで、トップ・キュベであるマジ・シャンベルタンは今日もっとも芳醇で濃密なものの一つにあげられます。

 ドメーヌ・モームが所有している畑は次の表の通りです。

 上表の通り、ドメーヌ・モームは、所有する葡萄畑の面積は4.47haと小さいものの、樹齢70年を超えるフラッグシップのマジ・シャンベルタンとシャルム・シャンベルタンの二つの特級畑とラヴォー・サン・ジャックを始めとする四つの一級畑を所有しており、テクノロジーとは無縁の古典的なジュヴレ・シャンベルタンの造り手として知られている、正に「いぶし銀」のような存在です。

 参考までに、先代で父のベルナール・モーム氏はディジョン大学の生化学の教授で、1991年に後を継いだ息子の現当主ベルトラン・モーム氏もディジョン大学の醸造学の博士号を取得しているインテリ醸造家です。

 「ブルゴーニュワインがわかる」の著者マット・クレイマー氏は、モームのマジ・シャンベルタンはなんとしても捜す価値があると、その著書の中で書いています。また、ジャスパー・モリス氏によれば、モームのマジ・シャンベルタンは、マジ・バにある0.67haの区画で、10年瓶熟させると新鮮な果実や花が背後に退き、ミネラル、ミント、甘草などの新しいニュアンスが姿を見せるとも言われます。

 そんなドメーヌ・モームですが、ブルゴーニュお決まりの相続問題で2012年にドメーヌをカナダのモレ・トーズに売却します。現当主ベルトラン・モーム氏は7人兄弟姉妹だそうで、所有する小さな畑を更に小さく分割するよりも、売却で換金し、各人が現金で相続する形をとったようです。

 このため、2012年ヴィンテージからはエチケットも変わり、ドメーヌ・モームの名はこれまで通り残すものの、エチケットの表記は「Maume by Domaine Tawse 」となっています。売却後も当主のベルトラン氏は醸造チームの一員として残っていますが、指揮をとるのはモレ・トーズ側のパスカル・マルシャン氏ですので、今後は少しスタイルが変わるかもしれません。実際に、モームは醸造においてはこれまで100%除梗していましたが、2012年は10〜15%全房で仕込んだそうです。

【その後のモームについての追加情報】

 トーズ社に買収されたモームは、2013年のボトルへのエチケット表記は、まだ「Domaine Maume Marchand Tawse」でしたが、2014年からは、エチケット上のドメーヌの表記は「Maume by Domaine Tawse」へと代わり、更に2016年からは「ドメーヌ・トーズ(Domaine Tawse)」となり、古典的なジュヴレ・シャンベルタンの造り手として知られた「ドメーヌ・モーム」の名は遂に消え去ることとなりました。古くからのブルゴーニュ愛好家にとっては少し寂しい気分です。

 また、輸入元のラックコーポレーション様からは、2018年ヴィンテージがドメーヌ・トーズを取り扱う最後とのご案内もありました。日本での代理店の体制は現在不明ですが、今後はあまり目にすることが少なくなるドメーヌかもしれません。特にモームの名の付いたバック・ヴィンテージは貴重です。

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