あのラ・ターシュと同格と言われる幻の畑レ・ゴーディショを所有する 小さいながらも素晴らしいワインを造る優良ドメーヌ

 【ドメーヌ・フォレ・ペール・エ・フィス】

  〜Domaine Forey Pere et Fils〜


 ドメーヌ・フォレ・ペール・エ・フィスを語る時、必ず一級畑レ・ゴーディショの話をせねばなりません。ご承知の通り、ラ・ターシュと言えばドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(以下DRC)のモノポールで有名な特級畑ですが、この畑と同格と言われるのが面積1.03haのヴォーヌ・ロマネ一級畑レ・ゴーディショです。そしてその幻の畑の数少ない所有者として有名なのがこちらのドメーヌ・フォレ・ペール・エ・フィスです。

 それでは、なぜこのレ・ゴーディショがラ・ターシュと同格と言われるのか、その複雑な歴史的経緯をご説明いたします。

 現在ラ・ターシュは畑面積6.062haのDRCのモノポール(単独占有畑)ですが、元々単一の畑ではなく、1622年の時点では1.416haに過ぎませんでした。その後、1793年にジョリ・ド・ベヴィ家に渡り、さらにフランス革命の混乱期を経て、1833年にリジェ・ベレール家(特級ロマネの所有者)が所有するモノポールとなりますが、この時点まではラ・ターシュの畑面積はロマネ・コンティの1.80haよりも小さな畑でした。

 一方、19世紀後半から20世紀初めにかけて、ラ・ターシュに隣接するレ・ゴーディショの畑からも「ラ・ターシュ・ロマネ」や「ロマネ・ラ・ターシュ」の名前をラベルに冠したワインを販売していました。  1860年代にこのレ・ゴーディショのほとんど全てにあたる4.626haを保有するのに成功したのがDRCの創業者ジャック・マリー・デュヴォー・ブロシェですが、この相続人であるシャンボンとド・ヴィレーヌ両家がこのレ・ゴーディショをラ・ターシュの名前で販売しようとしてラ・ターシュの所有者リジェ・ベレール家との間で法廷沙汰となります。

 ところが、この裁判はすぐに解決します。その理由は、1933年にリジェ・ベレール家が資産処分をせざるを得ない状況となり、DRCの所有者が裁判相手のリジェ・ベレール家からラ・ターシュの畑を買い取ったからです。その時レ・ゴーディショを所有していたド・ヴィレーヌ家は現在のDRCのオーナーの一人であり、もう一人のシャンボン家は、1942年にアンリ・ルロワ氏(マダム・ルロワの父)に持分を譲渡するまではDRCの共同経営者でしたので、DRCは1.416haのラ・ターシュと隣接する4.626haのレ・ゴーディショを併せてまとまった大きな畑を得ることとなります。そして、フランス政府に働きかけてこの大きな畑を特級畑ラ・ターシュとして認めてもらったのです。

 ディジョンの裁判所がこのような裁定を下した根拠は、過去ラ・ターシュとして売られたワインの内、レ・ゴーディショの畑とラ・ターシュの畑からできたものとは全く区別がつかなかったためと言われていますが、当時は世界大恐慌による消費不振や1800年代後半からのフィロキセラ禍の後遺症でフランスのワイン産業の危機的時代でもあり政治的な力も働いていたような気もします。

 その後、ドメーヌ・ラマルシュが持つラ・グランド・リュとの間でごく小さな区画を相互交換して畑の境界を整えて、現在の6.062haのラ・ターシュが出来上がったのです。ラターシュの区画図を見ると二つの小区画に分かれており、一つは面積1.4345haの「La Tache=ラ・ターシュ」もう一つは面積4.6275haの「Les Gaudichois ou la Tache=レ・ゴーディショまたはラ・ターシュ」となっています。 要するに一級畑レ・ゴーディショの内、DRCが所有していたレ・ゴーディショだけが特級畑ラ・ターシュに編入されたわけです。

 従って、元々のレ・ゴーディショの畑の内、DRC以外の3名が持つ区画がそのまま一級畑レ・ゴーディショとして残っているため、面積は僅か1.06haでしかも飛び地のように3ヶ所に分散・所在しているのです。そしてDRCのラ・ターシュの大部分を占める区画は元々のレ・ゴーディショに含まれることから、「編入されずに残ったレ・ゴーディショ」もラ・ターシュと同格の畑と言える訳で、この理由からブルゴーニュ愛好家には稀少な幻の畑として珍重されているのです。

 

 レ・ゴーディショの話が長くなりましたが、肝心の造り手ドメーヌ・フォレ・ペール・エ・フィスについてご説明します。

 このドメーヌの設立は1840年と古く、現在の当主は三代目のレジ・フォレ氏です。ドメーヌの所在地はDRCのすぐ隣ですが、ドメーヌが所有する畑面積は4.5haという小規模ドメーヌで生産本数も少ないため、日本での知名度はあまり高くはありませんが、コント・リジェ・ベレールのモノポール「特級ロマネ」が2006年ヴィンテージからドメーヌ完全元詰めを開始するまでは、レジ・フォレに畑の耕作や醸造を委託(ちなみに、瓶詰と販売はブシャール・ペール・エ・フィスに委託)していたという凄腕の造り手で、小さいながらもまさに知る人ぞ知るヴォーヌ・ロマネの優良ドメーヌなのです。

 そして、フォレの持つレ・ゴーディショは、ラ・ターシュとラ・グランド・リュに挟まれた僅か0.3haの区画で、しかも平均樹齢80年という古樹の葡萄から造られますので、幻の畑と呼ばれブルーゴーニュ・ワイン愛好家にはレア物として珍重されています。ブルゴーニュワイン大全の著者でネゴシアンのベリー・ブラザーズ&ラッドのデレクターのジャスパー・モリス氏も自身の著書の中で、これまで飲んだことのあるレ・ゴーディショは、レジ・フォレとニコラ・ポテルのものだけと書いています。ニコラ・ポテルは2006年に賃借契約が切れるまではレ・ゴーディショを造っていましたが、今は造っておりません。

 このドメーヌがレ・ゴーディショ以外に所有する畑も素晴らしく、フラッグシップである特級のクロ・ド・ヴージョとエシェゾー、一級ではリシュブールの北に隣接するプティ・モン、ニュイ・サン・ジョルジュの最も優れたレ・サン・ジョルジュという豪華ラインナップを誇ります。加えてフォレの魅力は平均樹齢50年の葡萄の古木にあり、畑ではリュット・レゾネ(減農薬栽培)を取り入れ、自然派のワインで優しい味わいが特長と言われます。

 近年ブルゴーニュワインの価格が急騰する中、比較的リーズナブルな価格を提供しているドメーヌ・フォレ・ペール・エ・フィスのような優良生産者をご紹介することは私共ワイン屋の楽しみでもあり、皆様に是非お薦めし、お試しいただきたいワインです。

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