酸化の影響を極力排す造りが特徴で、ブルゴーニュの白ワインを牽引する次世代のスター候補

サントーバンの名匠マルク・コランの長男ピエール・イヴがモレ家出身の妻カロリーヌと共同で設立したドメーヌ

【ドメーヌ・ピエール-イヴ・コラン-モレ】

        〜Domaine Pierre-Yves Colin-Morey 〜


2014年に父ジャン・マルク・モレの畑を相続し、カロリーヌ・モレ名義で造るピエール・イヴの妻カロリーヌの個人ドメーヌ

2016年からフェルマージュ契約で造るクリオ・バタール・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェのカイユレが看板ワイン

【ドメーヌ・カロリーヌ・モレ】

         〜Domaine Caroline Morey 〜

 サントーバンの名匠マルク・コランの長男ピエール・イヴがシャサーニュ・モンラッシェの造り手ジャン・マルク・モレの娘のカロリーヌ・モレとの結婚を機に共同で設立したのがピエール・イヴ・コラン・モレです。当初はネゴシアンビジネスで、初ヴィンテージは2001年ですが、デビュー当初から欧米のワイン関係者から絶賛され、現在最もエキサイティングなブルゴーニュのライジング・スターと言われています。

 模範とする造り手はルフレーヴ、コシュ・デュリ、ルロワと公言しているピエール・イヴですが、近年その実力と評価は彼らと肩を並べるほどの勢いであり、近い将来シャサーニュのみならずブルゴーニュの白ワインを牽引する次世代のスター候補と評されています。

 ピエール・イヴは、1993年までは、カリフォルニアでデヴィッド・レイミーの下で研修し、1994年から2005年まで父マルク・コランと共に働き、「父から栽培を教わり、デヴィッドから醸造を教わった」と語っています。2001年に妻カロリーヌとの結婚を機にネゴシアンを創設していましたが、2005年の収穫後父のドメーヌを離れ自分の持ち分の6haの葡萄畑と一緒に独立しました。

 妻のカロリーヌは、ドメーヌ・イヴ・コラン・モレを夫と共に共同で運営していますが、2014年に父ジャン・マルク・モレの引退により、7haの畑を相続し、2014年ヴィンテージから「カロリーヌ・モレ」名義でワインを造り始めています。

 ドメーヌ・イヴ・コラン・モレもカロリーヌ・モレも2014年に建てられた新しい施設を利用し、夫婦共同で醸造にあたっていることから、「カロリーヌ・モレ」名義のワインも、実質的には「ピエール・イヴ・コラン・モレのワインと同じもの」と言えるのではないでしょうか。

 カロリーヌ・モレのラインナップの中には、レ・カイユレやシャンガン等夫ピエール・イヴ所有と同じクリマもあり、両者がどのように異なるのかも興味があります。また、父ジャン・マルク・モレの時代からの繋がりで、2016年から稀少な特級畑「クリオ・バタール・モンラッシェ」をフェルマージュ契約で造っていることも注目されています。

 現在、父マルクから受け継いだ6haの畑から造られるドメーヌのワインと買い葡萄から造られるメゾンのワインがありますが、全てピエール・イヴ・コラン・モレのワインという意味で、エチケットはドメーヌとメゾンの区別がなく同一のデザインを使用しています。

 ネゴス物の栽培農家から買い付ける葡萄は樹齢60〜80年の古樹で、栽培もドメーヌと同じビオロジックを採用しており、またドメーヌのスタッフが収穫と選別を行うという徹底ぶりでドメーヌものとネゴスものの品質差がまったく感じられないとの評価を得ています。事実、ドメーヌでは以前は世界最高峰の白モンラッシェも買い葡萄で造っていましたが、自分の満足のいく葡萄を入手できないとの理由で、2014年ヴィンテージ以降はモンラッシェは造っておらず、ネゴス物と言えども一切手抜きをすることはありません。

 自社畑の大部分はサン・トーバンとシャサーニュにあり、サン・トーバン一級のシャトニエール、シャンプロ、アン・レミリー、ACシャサーニュ・モンラッシェのレザンセニエール、シャサーニュ・モンラッシェ一級のシュヌボットとカイユレを所有しています。また買い葡萄により、ピュリニー、ムルソーだけでなく特級のシュヴァリエ・モンラッシェやバタール・モンラッシェまで幅広くカバーしていますが、ドメーヌ物とネゴス物の比率は2:1だそうで、特に少量造る特級シュヴァリエ・モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュとムルソー最良の一級畑ペリエールは評価が高く人気があり、入手困難な逸品です。

 葡萄の栽培面では、畑では父や兄弟と働いていた時代から化学合成物質を使わない、事実上のビオロジック栽培を実践しており、変化はありませんが、ピエール・イヴが父のドメーヌを離れた後、最も大きく進化したのが、醸造技術です。

 その理由の一つは熟成前酸化問題を解決したことでしょう。現在ドメーヌではバトナージュ(撹拌)を行いません。これは1990年代後半から2000年代の初めのブルゴーニュ白に多く見られるプレマチュア・オキシデーション(熟成前酸化)を避けるためであり、昨今の葡萄は完熟しているので、バトナージュでグラ(滑らかな厚み、粘性)を引き出さずとも、十分にリッチさが得られると考えているためです。

 (*注:参考までに、プレマチュア・オキシデーション(熟成前酸化)の原因は諸説ありますが、その中でもバトナージュの多用が挙げられます。バトナージュをやり過ぎると炭酸ガスが抜け、滓と接触させることで酸化し易くなります。従って、通常は15年〜20年後に芳ばしい厚みと複雑性が増す熟成ワインであるはずなのに、僅か2〜3年と早くから酸化の兆候が出てしまうのです。)

 また、ドメーヌではワインの80%は通常のブルゴーニュで使われている228リットルのピエス樽より大きい350リットルの樽を使用しています。微量酸素による熟成が小樽よりも理想的に進み、ピュアでフィネスの感じられるワインになると考えているためです。

 更に、2007年以降、コルクにはクリーム色の蝋封が施され、瓶詰め後の酸化のリスクも最小限に抑えているほか、分厚く頑丈で外気温や湿度の影響を受けにくく、かつ高級感のある重量級ボトルを使用するという徹底ぶりです。

(*注:ご参考までに、通常のブルゴーニュワイン(750ml)1本の重量は1.3Kg〜1.4Kgですが、ピエール・イヴ・コラン・モレのワインは1.6Kg以上あり、DRC並みの重量級ボトルを使用しています。)

 このように酸化の影響を極力排して造られるドメーヌ・ピエール・イヴ・コランのワインは、自然な豊かさをもち、テロワールからもたらされるミネラル感とのバランスがうまくとれていると絶賛されており、ゆくゆくは妻の実家のジャン・マルク・モレの地所も手にするであろうこともあり(*注:2014年に父の引退により、マルク・モレの長女で、ピエール・イヴの妻カロリーヌが7haの畑を相続し、2014年ヴィンテージから「カロリーヌ・モレ」名義でワインを造っています)、シャサーニュのみならずブルゴーニュの白ワインを牽引する次世代のスター候補と評されているのです。

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 ピエール・イヴ・コランはサン・トーバンの名匠マルク・コランの長男ですが、妻はモレ一族のドメーヌ・ジャン・マルク・モレの娘であるため、妻と一緒に設立したドメーヌ・ピエール・イヴ・コラン・モレもモレ一族のドメーヌと言うことができます。下にモレ家の家系図を掲載しておりますので、その関係をご確認下さい。

【モレ家家系図について】

 シャサーニュ・モンラッシェ村の最大勢力は、1643年以来、村のあちこちに根を張るモレ一族です。実際に名前にモレを冠するドメーヌが無数にあり見分けがつきませんので、関係が複雑なモレ家について関係書籍やHPで本家・分家や親戚・婚姻関係を調べ、下の家系図を作成しましたので、ご参照下さい。なお、この表中には記載がありませんが、ムルソーのピエール・モレもモレ家の分家となります。

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