祖父母と父の興したドメーヌを女性のみで継承している人気ドメーヌ

 2009年に祖父母と父のドメーヌを統合し、新ドメーヌ名で再スタート

【ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニレ・ジブール】

  〜Domaine Georges Mugneret-Gibourg〜


 2009年の8月までは、「ミュニレ・ジブール」と「ドクトール・ジョルジュ・ミュニレ」という二つのドメーヌがあり、別々にワインを販売していました。

 前者は1933年に創設されたドメーヌで、ヴォーヌ・ロマネの旧家出身のアンドレ・ミュニレとジャンヌ・ジブールが1928年に結婚をし、両者の名をつけて生まれたもので、ドメーヌの元となった畑はジャンヌ・ジブールが持参したものです。

 一方、後者はその夫婦の息子で眼科医であったジョルジュ・ミュニレ博士が、クロ・ド・ヴージョ、リュショット・シャンベルタンの二つの特級畑とニュイ・サン・ジョルジュ及びシャンボール・ミュジニーの一級畑を買い足して、これに自分の名前をつけたドメーヌです。

 しかし、1988年にジョルジュ・ミュニレ博士が還暦を迎える前に早世した後、両ドメーヌは未亡人のジャクリーヌと薬剤師であった娘のマリー・クリスティーヌに引き継がれ、1992年にはもう一人の娘であるマリー・アンドレがディジョン大学での醸造学を修了してドメーヌに加わり、こうして母娘3人の女性のみによるドメーヌの運営が始まりました。

 そして、2009年ヴィンテージから二つのドメーヌをジョルジュ・ミュニレ・ジブールに統合し、すっきりとした形で再スタートを切りました。現在はマリー・クリスティーヌ(醸造担当)とマリー・アンドレ(栽培担当)の二人の姉妹によって運営されており、彼女たちの祖父母と父の残したドメーヌとその伝統を二人で守り、発展させています。天使の絵が描かれたエチケットも女性の運営するドメーヌらしく印象的で美しいものです。

 下の表は、ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニレ・ジブールの所有畑一覧表ですが、これには少し解説が必要です。

 

 前述したように、このドメーヌはかつて二つに分かれており、祖父母の興した「ミュニレ・ジブール」の畑は優秀な分益耕作人たちによって世話をされており、現在もその契約は続いています。

 一方、父の興した「ドクトール・ジョルジュ・ミュニレ」の畑は分益耕作は行われていません。従って、旧ミュニレ・ジブールの所有であった特級エシェゾーとヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュ、ACブルゴーニュについては、分益耕作契約が結ばれていることから、ドメーヌは収穫果実の全てを手に入れることはできません。(折半耕作で半分)

 分益耕作人は二人で、一人は親戚にあたるパスカル・ミュニレ、もう一人はファブリス・ヴィゴで、二人とも畑の状態を高い水準に保っています。

 パスカル・ミュニレはドメーヌ・ジェラール・ミュニレの現当主で、このドメーヌのエシェゾーは、この分益耕作によるもので、区画はレ・カルティエ・ド・ニュイからのものです。参考までに、パスカル・ミュニレの父ジェラール・ミュニレとジョルジュ・ミュニレ博士は従兄弟関係です。

 もう一人のファブリス・ヴィゴもドメーヌ・ファブリス・ヴィゴの当主で、1966年に両親がミュニレ・ジブールの所有する畑の折半耕作者となって創業されたドメーヌです。このドメーヌの看板ワインのエシェゾーもこの分益耕作によるもので、区画はレ・ルージュ・デュ・バからのものです。

 ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニレ・ジブールの看板ワインである特級エシェゾーは、1934年に取得した斜面上部の小区画「レ・ルージュ・デュ・バに0.60ha」と1930年に取得した斜面最下部の小区画「レ・カルティエ・ド・ニュイに0.64ha」の合計1.24haを所有していますが、この二つの小区画は全く性格が異なる上に、上述したように、このリュー・ディを耕作・栽培する耕作人もそれぞれ異なります。

 所有者であるミュニレ・ジブール側から見れば、分益耕作者のワインがスタイル的にも質的にも所有者側と近似しては困る訳で、このようにリュー・ディごとに異なる耕作者を置く方がビジネス的にも正しいと言えます。事実、分益耕作者である二つのドメーヌが造る単一リュー・ディからのエシェゾーは、ミュニレ・ジブールのエシェゾーには遠く及ばないと評されています。

 ドメーヌのワイン造りのポリシーは「正確さ」であり、このポリシー通り、エシェゾーの二つの小区画の葡萄は同時に収穫され、半分づつドメーヌに持ち込まれ、一緒に仕込みをし、「レ・ルージュ・デュ・バから骨格と複雑さ」を、「レ・カルティエ・ド・ニュイから魅力的な果実味」を得て、性格の異なるクリマを組み合わせ、果実味と酸が絶妙なバランスを持つエシェゾーとして有名で、下の写真の通り、美術出版社発行のワイナート70号(2013年4月発刊)の「ヴォーヌ・ロマネ特集」の中で、このクリマを代表するエシェゾーとして紹介されています。

 マリー・クリスティーヌは「父(ジョルジュ・ミュニレ)は、常々エシェゾーは単一区画ごとに醸造してはいけないと言っていたが、やはり正しいと思います」とインタビューで語っており、両極端な個性の合体が複雑性とスケール感をもたらす優れた作品となっています。

 また、村名ヴォーヌ・ロマネは、「シャランダン」、「ル・プレ・ド・ラ・フォリー」、「レ・シャン・グルダン」、「ラ・コロンビエール」、「レ・クロワ・ブランシュ」と、ヴォーヌ・ロマネの北から南までの5区画をアッサンブラージュしたもので、薫り高く、魅惑的でいかにもヴォーヌ・ロマネらしい洗練されたワインとして日本でも人気です。

 ジョルジュ・ミニュレ・ジブールのワイン造りの手順は、過熟させずに収穫した葡萄を選果台で厳しく選別し、100%の除梗。25度以下の発酵温度、ルモンタージュとビジャージェの併用といった技法を採用し、過度の抽出も禁忌。新樽の比率は村名で30%、1級畑で40〜45%、特級で60〜70%にとどめており、エレガントで緻密なワインと評されますが、繊細な味覚を持つ日本人にはこのドメーヌのワインを好まれる方は多いと思います。

 しかし、近年ドメーヌ・ジョルジュ・ミニュレ・ジブールの評価と人気はフランス内外で高まっている上に、日本での正規代理店変更の影響もあるのでしょうか、日本への輸入量が減少し、特に稀少な特級クラスのワインを入手することが困難になっています。

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