ドメーヌ・ポンソの前当主ローラン・ポンソが自ら起ち上げたネゴシアン

霜害に襲われ生産者の技量が問われた2016年が初ヴィンテージ

 【ローラン・ポンソ】

  〜Laurent Ponsot〜


 

 2017年3月にモレ・サン・ドニを代表するドメーヌ・ポンソから前当主、ローラン・ポンソ氏がドメーヌを去り、独立するという衝撃的なニュースがワイン界を駆け巡りました。

 ローラン・ポンソ氏は1981年からドメーヌ・ポンソを運営し、温度センサー付きラベルや独自に開発した合成コルクの採用など革新的な技術を取り入れ、ワインの品質を向上させました。

 また、「2008年のルディー偽造ワイン事件摘発の端緒が、ニューヨークでのオークションに出品されたドメーヌ・ポンソのクロ・サン・ドニに対するローラン・ポンソ氏のクレーム」からであったように、偽造ワイン摘発にも注力し、ICタグやワインケースの温度や保管状況をモニターするインテリジェント・ケースを利用し、ボトルの真正性やトレイサビリティを確保するなど、ブルゴーニュの生産者の中で一目置かれる存在でした。更に、ドメーヌ・ポンソ時代は、所有する数多くの銘醸畑と彼の天才的手法を兼ね合わせることで、他のドメーヌを圧倒するブルゴーニュ最高峰ドメーヌの一つとして君臨していましたので、ローラン・ポンソ氏がドメーヌを去るというのは衝撃的な出来事でした。

 ローラン・ポンソ氏自身は何も語っていませんが、恐らくこの背景にはブルゴーニュお決まりの相続問題が絡んでいるはずです。ドメーヌ・ポンソは家族経営で、ローラン氏とその姉妹のローズマリー、カトリーヌ、ステファニーの4人によって所有されていますので、ローラン氏はドメーヌの持ち株の25パーセントを所有している状態でした。

 今後分割相続となった場合は、ドメーヌの畑が分散して、現在のようなポートフォリオを組むことは不可能で、また、それを避けるために家族から株を購入するには莫大な資金が必要となります。従って、早い段階でネゴシアン・ビジネスに移行しておけば、畑の相続とは無関係に(ドメーヌの持ち株比率25%を所有したままで)、自分が理想とするワインを生産し続けられ、かつ息子クレメン氏への事業継承も簡単になるわけです。

 近年は税金対策のため、ネゴシアンを設立して、そこがドメーヌワインを買い上げる形にしているドメーヌも多く、ブルゴーニュの大半のドメーヌがネゴシアン業も営んでいる実態があり、今回ローラン・ポンソ氏が、息子クレメン氏と共に自分の名を冠したネゴシアンを設立したのは、そのあたりに理由があると思われています。

 ローラン・ポンソの本拠地は、ニュイ・サン・ジョルジュの東にあるシトー修道院で知られるサン・ニコラ・レ・シトー村にあります。ドメーヌ・ポンソは2000年代にジョイント・ベンチャーの名のもとに徐々にメタヤージュ(分益耕作)もしくはフェルマージュ(賃借)として、自社所有する畑以外のラインナップを拡大してきました。今回、自身の名前を冠したネゴシアン「ローラン・ポンソ」として息子のクレメン氏とともに独立後も、単に買い葡萄を購入するのではなく、栽培にも関与し、一部ドメーヌから引き継いだ畑の葡萄を用いて仕立てるなど、ポンソの哲学を色濃く反映したワイン造りを行っていくことから、今後もポンソファンのみならず全てのブルゴーニュ愛好家には見逃すことの出来ない造り手に違いありません。

 新生ローラン・ポンソは、ローラン氏がドメーヌ時代に培った天才的手法と哲学それにアイデアを色濃く反映させています。例えば、全てのボトルには「緑色の温度感知シール」が貼付されている他、キュベの愛称としてポンソ時代の「昆虫や鳥の名前」に代わり、今度は「花や樹の名前」を採用しています。また、ボトルには「生産本数」も記載されています。

 ローラン・ポンソの初ヴィンテージとなる2016年のブルゴーニュは4月の霜害と5月の2度の雹害に襲われ、収穫量が非常に減少したことで、葡萄の生命力と栽培家の力量が試された年となりました。しかし8月から収穫までは天候も回復し、暑い夏となったことで果実はしっかりと成熟。収量は低かったものの、生命力豊かでエレガントな酸とミネラルを備えた葡萄が収穫され、2016年のワインは上質な酸を伴うフィネスに富んだ、まさに真のブルゴーニュ愛好家に飲んでいただきたい味わいに仕上がっています。

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