「熟成により真価を発揮する古典的ブルゴーニュのお手本」と称賛される稀有かつ貴重なドメーヌ

自らのカーヴで熟成させたバック・ヴィンテージにこだわる名匠ポティネ・アンポーの哲学を今に引き継ぐ熟成美酒の造り手

【ドメーヌ・ポティネ・アンポー】

〜Domaine Potinet Ampeau〜

 モンテリに本拠を置く、ドメーヌ・ポティネ・アンポーは、日本ではあまり知られていない造り手ですが、実は自社カーヴで熟成させ、飲み頃と判断したバック・ヴィンテージのワインだけを蔵出しでリリースするという独自路線を歩む「知る人ぞ知る稀有かつ貴重なドメーヌ」です。

 長期熟成型ワインのスペシャリストとして同じ路線を歩む造り手にムルソーの「ドメーヌ・ロベール・アンポー」がいますが、「ドメーヌ・ポティネ・アンポー」との関係は、1950年にロベール・アンポーの妹がモンテリのドメーヌ・ポティネの当主アンリ・ポティネに嫁ぎ、この時にアンポー家の妹の相続分の畑が加わったため、夫妻のそれぞれの名前をとってドメーヌ・ポティネ・アンポーが新たに誕生したものです。

 ポティネ・アンポーがドメーヌの本拠を置くモンテリ村は、高名な銘醸地ヴォルネイとムルソーに挟まれ、生産量の90%が赤ワインという赤主体の地味かつ小さなアペラシオンであったため、元々ポティネ・アンポーも赤を中心とした生産者でしたが、この婚姻を機に、ムルソー最良の一級畑ペリエールやシャルムを始めとする白の銘醸畑を所有することになり、ドメーヌのポートフォリオは一挙に充実することとなりました。

 アンリ・ポティネ氏は、ロベール・アンポー氏の義弟にあたりますが、長期熟成型のワイン造りに於いてそれぞれ一家言あったためでしょうか、二人の確執は有名だったようです。ただ、二つのドメーヌは既に世代交代をしており、現在は、ロベール・アンポーは、息子のミシェル氏が、ポティネ・アンポーは、孫のヴィンサン氏がそれぞれ当主に就任しています。

 2003年よりドメーヌに入り、最新技術を学びながら、古典派と自認するヴァンサン氏は、ポティネ家が所有する区画にさらに手を加え、畑作業に、より注力することで、果実のポテンシャルを先代よりもより良く引き出しています。ヴァンサン氏になっても変わらず継承していることは、テロワールと果実のポテンシャルを生かすワイン造りで、新樽の使用は控え、バトナージュも少なくしています。

 今でこそバックストックを持ち、長期熟成したものをリリースすることで評判を得ているポティネ・アンポーですが、ドメーヌの歴史を調べてみると、実はドメーヌ設立当初の1950年代は、天候不順で不作の年が多く、1/3が全くワインが造れず、1/3が凡庸な年、残りの1/3が豊作で秀逸なワインができたそうで、この苦難の時代を、その1/3の秀逸なワインで乗り切れたことから、1960年代以降も不作のヴィンテージ用の保険としてバックストックを持つようになったそうです。

 当時は、不作のヴィンテージのための保険としてバックストックを持つことは常識だったようですが、栽培技術の進歩、選果機の導入、温暖化等により、殆どのドメーヌはバックストックを持たなくなり、今やブルゴーニュにおいては、有名生産者では、ポティネ・アンポーとロベール・アンポーの二つのドメーヌだけが、長期熟成させたオールド・ヴィンテージをリリースする長期熟成のスペシャリストとして確固たる地位を築いているのです。

 このような販売方法は、大規模資本のボルドーのシャトーやシャンパーニュのメゾンでは行われますが、家族経営で小資本かつカーヴのスペースの限られるブルゴーニュでは経営面でも難しく、このポティネ・アンポーと兄弟ドメーヌのロベール・アンポー以外には見つけることはできません。しかも、その熟成させたブルゴーニュの価格は極めてリーズナブルで、まさに独自路線を歩むユニークで稀有な優良生産者です。

 勿論、ワイン造りの腕前も一流で、赤白共にテロワールを尊重した「熟成により真価を発揮する古典的ブルゴーニュのお手本」と称賛され、1937年から59ヴィンテージを手掛け、自らのカーヴでゆっくりと熟成させてから販売することにこだわりを持ち続けた名匠ポティネ・アンポー氏の哲学は今もなお受け継がれており、モンテリ村の地下カーヴに動かされることなく眠る至宝の古酒はリリースのたびに多くのファンを魅了しています。また、かつてのブルゴーニュで一般的であった16ヶ月から22ヶ月という長い樽熟成を今も実施しています。

 これ程の優良ドメーヌが日本であまり知られていない理由は、ドメーヌのワインの大半が米国へ輸出されることや寝かせることを前提としたワイン造りのため、毎年新ヴィンテージがリリースされるわけでもなく、また熟成前にティスティングし評価するようなワイン雑誌やコンテストとは全く無縁であることなどがあげられます。それだけに、「ドメーヌが飲み頃と判断し、レイトリリースしたコンディション抜群のバック・ヴィンテージの蔵出し古酒」を、多くのブルゴーニュ愛好家は待ち望んでおり、直ぐに完売となります。

 ドメーヌでは赤も白も造りますが、やはり銘醸地ムルソーやピュリー・モンラッシェの白、赤では長期熟成で真価を発揮するヴォルネイ一級レ・クロ・デ・シェーヌの評価が特に高く、お薦めです。

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