キャラクターを異にする二つのモノポールが看板ワイン

 プチDRCの名声高い、ヨーロッパで絶大な人気を誇るドメーヌ

 【ドメーヌ・ド・ラルロ】

  〜Domaine de l'Arlot〜


 ドメーヌ・ド・ラルロほど、この20数年の間に資本関係、所有畑、醸造責任者、ワインの評価等で大きな変化・変遷を遂げたドメーヌもそうそうないかもしれません。

 ニュイ・サン・ジョルジュから2km南に位置するコート・ド・ニュイにあるドメーヌ・ド・ラルロは、ジャック・フレデリック・ミュニエのモノポール、クロ・ド・ラ・マレシャルの北隣に接する4.0haのモノポールのクリマ「クロ・ド・ラルロ」の名前から名付けられており、ドメーヌの醸造設備やカーヴもこの畑の中にあります。

 「ラルロ」とはプレモー村とクロ・ド・ラルロの地下を流れる小さな川が語源で、ブルジョア階級出身のジャン・シャルル・ヴィアノが1789年のフランス革命以降に建物と畑を所有しドメーヌの周りに石垣で塀を建設しました。これがクロ・ド・ラルロで、ヴィアノ家が代々所有してきました。

 ところが19世紀末にフィロキセラが猛威をふるい、葡萄畑所有者の多くが畑を手放す中、1891年ここを買い取ったのがネゴシアンのジュール・ベランで、数年後にはもう一つのモノポールであるクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュ(7.2ha)とクロ・デュ・シャポー(1.6ha)を手に入れ、その後しばらくドメーヌ経営を行っています。

 そして1987年に保険会社のアクサが建物とクロ・ド・ラルロ及びクロ・デ・フォレ・サン・ジョルジュの二つのモノポールとクロ・デュ・シャポーを買い取り、ドメーヌ・ド・ラルロとして生まれ変わり、ドメーヌの運営はデュジャックの創設者ジャック・セイスに師事したジャン・ピエール・ド・スメに託されます。この時アクサとスメ氏は業務遂行のために5対5の割合による持ち株会社を設立し、この関係は2006年にスメ氏が引退し、アクサが全株式を取得するまで続きます。

 新生ラルロは、1991年に特級ロマネ・サン・ヴィヴァン(0.25ha)、ついで1992年にヴォーヌ・ロマネ一級畑レ・スショ(0.85ha)を購入し、下の所有畑一覧表の通り、総面積14haのドメーヌに成長します。

 ドメーヌ開始直後から、テロワールを尊重する目的でビオディナミ実践に向けて移行しており、1991年に除草剤・殺虫剤の使用を全廃、1999年から段階的にビオディナミを導入し、2003年からは全ての畑で実践しています。

 また醸造においては、色の濃さよりも、味わいのバランスを重要視し、デュジャック仕込みの全房発酵で仕込むことにより、抽出は柔らかく、純真無垢の味わいとなり、優雅で絹のような舌触りを持ったワインはフランス内外で高い評価を獲得し、全ブルゴーニュでもトップドメーヌの仲間入りを果たします。

 下の写真の通り、ドメーヌ・ド・ラルロのフィネスとエレガンスが表現されたワインは、美術出版社発行の「ワイナート55号、ニュイ・サン・ジョルジュ特集」(2010年3月発行)の中で、4頁にわたって大きく掲載・紹介されており、日本でも人気の造り手となっています。

 2006年にスメ氏が引退し、ドメーヌの運営は1998年から働いてきたオリヴィエ・ルリシュに受け継がれますが、オリヴィエは2011年にアルデッシュにある自らのドメーヌに専念するために退職します。

 その後、フレデリック・マニャンで修業をしてきたジャック・デヴォージュが新たに任命され、ラルロのワインはやや柔らかいテクスチュアを得て、さらに活き活きとしたワインに変わったと言われ更に人気を博します。とこらが、天才醸造家とも評価されたジャック・デヴォージュは、2014年12月にあの有名なクロ・ド・タールにヘッドハンティングされ、ドメーヌを去ることとなります。

 2014年9月、厳しい選考の結果、アレックス・ガンバルで辣腕を振るっていたジェラルディンヌ・ゴド女史が新たにテクニカル・ディレクターとして採用されていますが、ひとつのドメーヌの環境に、これだけ様々な変化があっても、根底にあるエレガントなワインのスタイルの軸が連綿と継承されているのは、見事というほかはなく、ラルロにおけるワイン造りの根幹が、「畑のテロワールを純粋に表現すること」と「高品質で凝縮された果実を収穫すること」にあり、人為的な介入を極力限定したものにしていることがその理由かもしれません。

 今後、ジェラルディンヌ・ゴド女史とラルロの個性が、どのような素晴らしい相乗効果を見せるのか世界中が注目しています。

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