グラーヴ地区グラン・クリュに位置付けられる僅か16シャトーの一つ「シャトー・オー・バイィ」
フィロキセラ禍を免れた純粋なフランス産の樹齢100年の古樹を持ち、ペサック・レオニャンで最もエレガントと評されるシャトー
グラーヴ地区でグラン・クリュの格付けを認められたのは僅かに16シャトーですが、シャトー・オー・バイィは、その一つにあたります。
シャトー・オー・バイィの歴史は古く、17世紀から始まっていますが、シャトーの所有者が転々と代わったりしたことで、浮き沈みを繰り返してきましたが、1955年にベルギー人のダニエル・サンダース氏が新たなオーナーになったことで、シャトー・オー・バイィは再び輝きを取り戻し始めます。
1998年に現在のオーナー、銀行家のウィルマーズ氏に代わってからも著名な教授をコンサルタントに招聘し、設備投資や最新の選果機とセカンドワイン、サードワインの導入で葡萄の選別を厳しくする等の様々な改革を行うことで品質が飛躍的に向上し、著名なワイン評論家ロバート・パーカー氏の高評価に伴って注目を集めるようになり、2009年ヴィンテージでは遂にパーカポイント100点満点を獲得しています。なお、ロバート・ウィルマーズ氏は2017年12月に亡くなり、息子のクリス・ウィルマーズ氏が新たなオーナーとしてシャトーの舵取りをしています。
高台にある畑は、水捌けも日当たりも良い、恵まれた立地で、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フランが植えられています。中でもシャトー・オー・バイィの畑で特筆されることは、葡萄樹全体の15%にフィロキセラの被害を免れた樹齢100年の純粋のフランス産の古樹が残り、栽培されていることです。
19世紀半ばに発生した害虫フィロキセラ(ブドウネ・アブラムシ)により、壊滅的な被害を被って以降、フランスの葡萄樹は、フィロキセラに耐性のある北米産の台木に、フランス産の品種を接ぎ木したものとなっていますが、シャトー・オー・バイィの畑には接ぎ木ではなく、フランシュ・ド・ピエ(franche de pied=実生)つまり、「自根を持ち、接ぎ木されていないフランス・オリジナルの古樹」が残っているのです。勿論、この古樹の葡萄は、グラン・ヴァンのシャトー・オー・バイィに使われ、古樹特有の凝縮感と複雑味をワインにもたらしており、ペサック・レオニャンで最もエレガントと評されるワインとなっています。
また、グラーヴ地区の格付けは、1855年のメドックの格付けからほぼ100年後の1953年に制定されましたが、他の地区と異なり、格付けに1級や2級などの階層はなく、赤ワイン、白ワイン毎に格付けがされています。
当然赤と白両方の格付けを求めるシャトーが多い中で、シャトー・オー・バイィは、セカンドワインのラ・パルデ・ド・オー・バイィ、サードワインのペサック・レオニャン・ド・オー・バイィと、頑なに赤ワイン一筋にこだわって造ってきており、ペサック・レオニャンらしい、土や草、鉄分等が混ざる香りとソフトでスムーズながら独特な濃厚さも持ち合わせています。
この2013年ヴィンテージのセパージュは、カベルネ・ソーヴィニョン64%、メルロー34%、カベルネ・フラン2%で、パーカポイントは、91-93点です。また飲み頃は2017年から2034年と予想されており、丁度飲み頃に入ったヴィンテージで、お薦めです。
こちらは2021年2月下旬に当店に入庫したラックコーポレーション輸入のシャトー蔵出し品で、店舗内セラー保管商品となります。
商品名:シャトー・オー・バイィ 2013
[グラーヴ格付けグラン・クリュ]
(2013 Chateau Haut-Bailly)
容量750ml 赤ワイン