特級畑エシェゾーには11のリュー・ディがありますが、ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニレ・ジブールの所有する斜面上部の「ルージュ・デュ・バ」と斜面最下部の「カルティエ・ド・ニュイ」の二つの小区画は全く性格が異なる上に、上述した通り、このリュー・ディを耕作・栽培する耕作人もそれぞれ異なります。
所有者であるミュニレ・ジブール側から見れば、分益耕作者のワインがスタイル的にも質的にも所有者側と近似しては困る訳で、このようにリュー・ディごとに異なる耕作者を置く方がビジネス的にも正しいと言えます。事実、分益耕作者である二つのドメーヌが造る単一リュー・ディからのエシェゾーは、二つのリュー・ディを組み合わせたミュニレ・ジブールのエシェゾーには遠く及ばないと評されています。
ドメーヌのワイン造りのポリシーは「正確さ」であり、このポリシー通り、エシェゾーの二つの小区画の葡萄は同時に収穫され、半分づつドメーヌに持ち込まれ、一緒に仕込みをし、「ルージュ・デュ・バから骨格と複雑さ」を、「カルティエ・ド・ニュイから魅力的な果実味」を得て、性格の異なるクリマを組み合わせ、果実味と酸が絶妙なバランスを持つエシェゾーとして有名で、美術出版社発行のワイナート70号(2013年4月発刊)の「ヴォーヌ・ロマネ特集」の中でも、このクリマを代表するエシェゾーとして紹介されています。
マリー・クリスティーヌは「父(ジョルジュ・ミュニレ)は、常々エシェゾーは単一区画ごとに醸造してはいけないと言っていたが、やはり正しいと思います」とインタビューで語っており、ドメーヌ・ジョルジュ・ミュニレ・ジブールの造るエシェゾーは、両極端な個性の合体が複雑性とスケール感をもたらす逸品となっています。