数々の斬新なアイデアと新技術で、今日のシャンパーニュ隆盛の礎を築いた歴史あるシャンパーニュ・ハウス

ヴィンテージの個性を最大限に反映する独創的な「700シリーズ」

 【ジャクソン】

  〜Jacqueson〜


 ジャクソンは、1798年にメーミー・ジャクソンが創業し、200年以上の長い歴史と伝統を誇るシャンパーニュ・ハウスです。創業当時から皇帝ナポレオンに愛されたシャンパーニュで、皇帝自身の結婚式にも振舞われる等、皇帝の大きな力添えを得て、急速に躍進し、シャンパーニュ界の頂点に君臨する最高峰メゾンの仲間入りを果たします。

 

 創業者メミーの息子アドルフは数多くのアイデアと新技術で、19世紀のシャンパーニュ造りを大きく変え、今日のシャンパーニュ隆盛の礎を築き上げた立役者として有名な人物です。例えば、「糖分濃度の測定法」を定式化させ、瓶の破裂率を25%から4%へと劇的に減らしたのも、また、コルク栓を抑える金具「ミュズレ」と「キャップシール」を考案したのも、この二代目のアドルフ氏です。

 また、世界最高峰シャンパーニュ・メゾンの一つ、クリュッグの創業者ジョセフ・クリュッグがジャクソンで修業をした後にアドルフの妹と結婚し、自らのメゾン「クリュッグ」を創業したことも有名な話です。

 シャンパーニュ界の頂点に君臨しながらも、常に変革を求める精神や独創的な発想は、代々受け継がれていきますが、2000年にリリースを始めた、「700シリーズ」はジャクソンのその意志を具現化したものと申せます。

 従来から「シャンパーニュ造りの真髄はブレンド技術にあり」、と言われ、シャンパーニュ・ハウスの顔となるスタンダード・キュヴェは、複数のヴィンテージのリザーヴ・ワインをブレンドして、ノン・ヴィンテージで造るのが普通でした。

 しかし、現当主のシケ氏と弟のローラン氏は、そのスタイルに疑問を持ち、画一的な味わいを維持していく伝統的な方法ではなく、収穫年毎の味わいに重点を置いた、言わば、その年のヴィンテージの個性を反映させたシャンパーニュ造りをすることを目指します。

 これが2000年の収穫分の葡萄を使ってリリースが始まる「700シリーズ」で、最初の「キュヴェ728」から、現在の最新ヴィンテージの「キュヴェ746」まで、ヴィンテージの個性を最大限に追求した独創的なシャンパーニュとして、今や世界に認められる存在となっています。

 この「700シリーズ」の最初にリリースされた「キュヴェ728」は、ハウスの設立後728番目にブレンドされたことを意味しており、200年の伝統と歴史を誇るジャクソンが、新たにヴィンテージの個性を最大限に反映させるべく生み出した独創的なシャンパーニュなのです。

 ヴィンテージを反映させたシャンパーニュであるだけに、その年の重要イベントに用いられ、話題に上ることも多く、例えば「キュヴェ733」は、ノーベル平和賞を受賞したオバマ元米国大統領のノーベル平和賞受賞式典ディナー(2009年12月グランド・ホテル・オスロで開催)での唯一のシャンパーニュとして振舞われています。

 キュヴェ番号が上がるにつれて、「700シリーズ」は更に進化を続け、「キュヴェ734」からは瓶内熟成期間をこれまでの3年から4年とした他、「キュヴェ738」までは全体の約30%にリザーブワインが使われていましたが、「キュベ740」以降はこの比率を20%に下げ、収穫年の個性がより明確になっています。

 しかもジャクソンで使用されるマスト(果汁)は「キュヴェ(一番搾り)」のみで、「タイユ(二番搾り)」は使わず、またキュヴェの最初の50リットルは、埃が多いとの理由で使用しないという徹底したこだわりを持っています。

(注)シャンパーニュではワイン法により4000kgの葡萄から2550リットルまで果汁を搾ることが認められており、最初の2050リットルを「キュヴェ(一番搾り)」、次の500リットルを「タイユ(二番搾り)」と呼びます。

 

 現在の最新ヴィンテージは「キュヴェ743」で、グレート・ヴィンテージとなった2015年の葡萄をベースとして造られました。そしてデゴルジュマン後はシリーズ初の「ノン・ドサージュとなった究極のキュヴェで700シリーズの傑作」として高く評価されています。

 ジャクソンの商品ラインナップは、この「700シリーズ」が「メゾンの顔となるスタンダード・キュヴェ」ですが、この他に、通常4年熟成の「700シリーズ」を更に長くし、9年間熟成させた後に澱抜きする「デゴルジュマン・タルディフ(Degorgement Tardif=遅く澱抜きしたもの)」があります。これはボランジェの「R.D.(Recemmant Degorge=ごく最近澱抜きをした)」と同じコンセプトで、長期間澱と一緒に熟成させることで、「700シリーズ」に更に厚みを加えた「プレミアム・スタンダード・キュヴェ」です。

 更に、アヴィズ村、ディジー村、アイ村に所有する単一畑から造る、「アヴィズ・シャン・カン」、「ディジー・コルヌ・ボートレィ」、「アイ・ヴォーゼル・テルム」のヴィンテージ・シャンパーニュの傑作「シングル・ヴィンヤード・コレクション」があります。しかしこれらは、いずれも小さな単一畑から造られるため、生産量も少ない稀少シャンパーニュで、特に僅か0.3haの極小畑から造られる「アイ・ヴォーゼル・テルム」は、日本への輸入も殆どない「幻のキュヴェ」となっています。

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