ご承知の通り、デュガ・ピィは、いとこのクロード・デュガと共に、ジュヴレ・シャンベルタンに本拠を置く小規模ドメーヌながら、カルト的な人気を誇る造り手で、僅か0.05haで1樽にも満たない特級シャンベルタンを筆頭とする珠玉のワインを造っています。また、デュガ・ピィの畑の葡萄の樹齢は非常に古く、ドメーヌ平均で65年、しかも所有する畑はいずれも極小で、生産量も少ないことでも有名で、ブルゴーニュ愛好家垂涎の入手困難な造り手の代表格となっています。
そんなジュヴレ・シャンベルタンを本拠地とするデュガ・ピィですが、近年コート・ド・ボーヌのシャサーニュ・モンラッシェやムルソーにも進出し、稀少な白ワインを造っています。そして、2003年から新たにデュガ・ピィのラインアップに加わったのが、村名白ワイン「ムルソー」です。
こちらの商品は最新ヴィンテージ2019年の「ムルソー トレ・ヴィエィエ・ヴィーニュ(Tres Vieilles Vignes)2019」です。
白の魔術師として有名な造り手コシュ・デュリやコント・ラフォンの本拠地として名高い銘醸地、ここムルソーにデュガ・ピィが所有するのは村名格畑オー・ヴィラージュ(Au Village)の中にある面積僅か、0.25haの極小区画で、ここに植えられた樹齢85年の古樹の葡萄から2樽ちょっとの稀少な白ワインが造られます。
樹齢85年の古樹の葡萄から造られるため、エチケットに表記される商品名は、古樹を意味する[Vieilles Vignes(ヴィエイユ・ヴィーニュ)]ではなく、大変な古樹[Tres Vieilles Vignes (トレ・ヴィエィユ・ヴィーニュ)]と表示されています。
2019年のヴィンテージ評価はまだ出揃っていませんが、各種ヴィンテージ・レポートによれば、『2019年は4月の気温低下による霜害、初夏の天候不順に伴う花ぶるいや結実不良、更に、夏の酷暑と水不足により、収量は2018年より25%〜35%減少するものの、陽射しに恵まれて、収穫された葡萄の熟度は高く、酸も豊かであることから品質は極めて良好で、年号末尾に「9」の付く年は優良年というジンクスは守られる』とのことです。しかし、残念なことに、11月恒例開催のオスピス・ド・ボーヌの競売会で顕著だったように、『2019年産のワインの品質は優れているものの、生産量が減少していることから、価格は2018年より高めとなる』旨も報告されています。
ご参考までに、ドメーヌ・ベルナール・デュガ・ピィでも世代交代が進み、2017年からはベルナール氏の子息ロイク氏が13代目の当主となっており、これに伴い順次エチケットの図柄を新しいものに代えていますが、ムルソーのエチケットは、いち早く2015年ヴィンテージから新エチケットとなっており、ドメーヌの古い歴史を示すセラーの絵と共に「CAVES DE L'AUMONERIE DU XI SIECLE (11世紀に建てられた教会のワイン蔵)」との言葉が誇らしげに記載されています。