ご承知の通り、デュガ・ピィは、いとこのクロード・デュガと共に、ジュヴレ・シャンベルタンに本拠を置く小規模ドメーヌながら、カルト的な人気を誇る造り手で、僅か0.05haで1樽にも満たない特級シャンベルタンを筆頭とする珠玉のワインを造っています。また、デュガ・ピィの畑の葡萄の樹齢は非常に古く、ドメーヌ平均で65年、しかも所有する畑はいずれも極小で、生産量も少ないことでも有名で、ブルゴーニュ愛好家垂涎の入手困難な造り手の代表格となっています。
ベルナール・デュガ・ピィのワイン造りのスタイルは、濃密な果実味をバックボーンに備えながら、あくまでピノ・ノワール特有のエレガントさを体現し、それに個々のテロワールの差異が彩りを添えるというものであり、現在のブルゴーニュで望みうる最上のワインを産するドメーヌと呼ばれています。1998年から完全有機農法(ビオロジック)を開始し、2003年にすべての畑をビオロジック栽培に転換完了しており、酸、タンニン、果実味、樽が高い次元で渾然一体となった驚くべき品質のワインを造り出しています。
ワイン版ミシュランと呼ばれるフランスのワイン評価本レ・メイユール・ヴァン・ド・フランス(2007年版までの名称はル・クラスマン)でも、最高の三ツ星生産者にランクされています。この本の中でブルゴーニュの三ツ星生産者は11名、その内、赤ワインに限ると三ツ星生産者はルロワ等5名だけですので、その品質は折り紙付きです。
近年、ドメーヌの本拠地であるジュヴレ・シャンベルタンから、ヴォーヌ・ロマネ、更にコート・ド・ボーヌにも葡萄畑を広げ、現在の所有畑の総面積は10haに拡大しています。
ドメーヌの赤ワインはほとんどジュブレ・シャンベルタンに集中していて、例外がこのヴォーヌ・ロマネとポマールで、デュガ・ピィが最初にヴォーヌ・ロマネを仕込んだのは1999年のことです。
こちらの最新ヴィンテージの「ヴォーヌ・ロマネ Tres V.V.2019」は、村名クラスながら特級畑「クロ・ド・ヴージョ」に接する僅か0.32haの小さな区画の平均樹齢80年の古樹から造られる年間生産量は僅か900〜1,200本という、稀少なキュヴェで、エチケットには通常の古樹より更に古樹の葡萄を意味する[Tres V.V.(Vieilles Vignes=ヴィエイユ・ヴィーニュ)]の表記があり、価格以上の価値を持つ逸品です。
2019年のヴィンテージ評価はまだ出揃っていませんが、各種ヴィンテージ・レポートによれば、『2019年は4月の気温低下による霜害、初夏の天候不順に伴う花ぶるいや結実不良、更に、夏の酷暑と水不足により、収量は2018年より25%〜35%減少するものの、陽射しに恵まれて、収穫された葡萄の熟度は高く、酸も豊かであることから品質は極めて良好で、年号末尾に「9」の付く年は優良年というジンクスは守られる』とのことです。しかし、残念なことに、11月恒例開催のオスピス・ド・ボーヌの競売会で顕著だったように、『2019年産のワインの品質は優れているものの、生産量が減少していることから、価格は2018年より高めとなる』旨も報告されています。
こちらのインポーターはラックコーポレーションの蔵出し正規品で、エノテカ那須レンタルセラー在庫ですが、セラー契約上、お客様への直送はできないため、一旦当店を経由しての配送となりますので、通常より2〜3日お時間をいただきます。