1880年代からの長い歴史を有する妻の実家トランブレイ家から受け継いだ銘醸畑で造る「フィネス、フローラルさ、ミネラル感」溢れるシャブリ

「ル・ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス2023」で三ツ星に昇格したシャブリ生産者のトップ6に数えられる造り手

 【ベッサン・トランブレイ】

   〜Bessin Tremblay〜


 

 ジャン・クロード・ベッサンがシャブリでワイン造りを始めたのは1989年のことで、彼自身は建築家を目指していましたが、妻エヴリーヌの実家トランブレイ家に跡取りがいないため、妻のエヴリーヌとともに、彼女の父親の家族経営の葡萄畑を受け継ぐことになりました。

 

 ジャン・クロード・ベッサンの妻、エヴリーヌはトランブレイ家の出身ですが、トランブレイ家は、この地域では有名な一族で、1880 年代から代々葡萄畑を所有しています。トランブレイ家の初代ヴァランタン・トランブレイは、1889 年に、今日ドメーヌにとって宝石とも言える歴史的なフルショームの中心に位置する区画「ラ・ピエス・オー・コント(La Piece au Comte)」を購入します。「ラ・ピエス・オー・コント」は、「コント=Comte(伯爵)」の名の通りシャトー・ド・マリニーの伯爵家が所有していた区画ですが、こちらも跡取りがいなかったため、シャトーで働いていたトランブレイ家の先代が伯爵夫人から譲り受けたものです。

 建築家としてパリのエコール・デ・ボザールで学んだジャン・クロード・ベッサンでしたが、トランブレイ家の3代目に跡取りがいないため、その娘エヴリーヌの夫ジャン・クロードベッサンが、協同組合のメンバーであった義父から家族経営の葡萄畑を引き継ぐ機会を申し出られ、1992年に4代目当主として受け継ぐこととなったのです。

 今日、葡萄畑は上の所有畑一覧表の通り、12haを所有し、シャブリ(ノーマルと樹齢45〜55年の「ヴィエイユ・ヴィーニュ」の2種類)、一級モンマン、ラ・フォレ、フルショーム(ノーマルと「ラ・ピエス・オー・コント」の2種類)、特級ヴァルミュールの5アペラシオンから7種類のワインを造っていますが、やはり、ドメーヌの看板ワインは、クリマ二番目の面積2.08haを所有し、平均樹齢48年の[シャブリ特級ヴァルミュール]と初代ヴァランタン・トランブレイが1889年に取得した一級フルショームの中の0.8haの区画「ラ・ピエス・オー・コント」で、通常版の一級ラ・フルショームとは別に造る[シャブリ一級ラ・フルショーム ラ・ピエス・オー・コント]です。

 中でも、マリニー伯爵家から譲り受けた「ラ・ピエス・オー・コント」の区画で造る[シャブリ一級ラ・フルショーム ラ・ピエス・オー・コント]は、1934年植樹の葡萄樹は、2014年に引き抜かれたものの、1950年代〜1960年代に植えられた古樹の葡萄で年産2500本造られる特別キュヴェで、2005年ヴィンテージから正式にこの名でリリースされていますが、優良年のみに造られますので、これまで2012年、2016年、2017年、2021年の各ヴィンテージは造られておりません。

 ジャン・クロードは自身の目指すワインのスタイルを「フィネス、フローラルさ、ミネラル感」と言っており、事実、どのキュヴェもシャブリのエッセンスが詰まった、フローラルな香りとミネラルを感じさせる、繊細なスタイルが表現されています。

 2015年、ジャン・クロードに息子のロマンが加わります。ロマンも、それまで葡萄畑から遠く離れ、サウンドエンジニアとジャズミュージシャンという経験をした後、実家に戻り、父と共にワイン造りを始め、2017年にはビオディナミ農法を導入するなどドメーヌに新風を吹き込んでいます。息子ロマンの参画に伴い、ドメーヌ名は「ジャン・クロード・エ・ロマン・ベッサン」となりましたが、2020年ヴィンテージからこのドメーヌ名を更に変更し、新たに「ベッサン・トランブレイ」となりました。 元々の地所の大部分はジャン・クロードの妻エヴリーヌ方のトランブレイ家の所有となっていましたが、これを正式に相続したため、これを機に改名したようです。

 更に、2022年末、ドメーヌは新たな転機を迎えます。4代目当主ジャン・クロード・ベッサンは引退し、ロマンが5代目当主に就任。そして、それまで北米で薬理学の研究者を務めていた、もう一人の息子アントワーヌが、兄ロマンに協力するために実家に戻り、現在はドメーヌを兄弟で運営しています。

 古樹が植えられた由緒ある歴史を有する素晴らしいプルミエ クリュ[ラ・フルショーム ラ・ピエス・オー・コント]、驚異的なグラン クリュ[ ヴァルミュール]等を擁するロマンとアントワーヌの兄弟が運営するベッサン・トランブレイは、テロワールにしっかりと根付いたワインを提供しており、フランスで最も影響力のあるワインガイド「ル・ギド・デ・メイユール・ヴァン・ド・フランス 2023版」にて、3ツ星に昇格し、ドーヴィサやラヴノーといった数少ない伝説的な造り手の仲間入りを果たしました。

 ドメーヌの規模は比較的小さいものの、ベッサン・トランブレイのワインは今や最も人気のあるシャブリの一つで、ワインアドヴォケイトのウィリアム・ケリー氏は『このドメーヌは、シャブリのトップ6のドメーヌの1つであるため、もっと話題になるに値する。ベッサンはシャブリの酸味と緊張感を愛し、それをワインにて表現するという哲学で、切れ味と凝縮感、質感、立体感を備えたワインを見事に実践している。偉大なシャブリに求められるすべての要素を備えている。』と絶賛しており、今後ますます注目が高まる生産者の一人です。

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