2018年〜2020年の3年間続いたボルドーのグレートヴィンテージ「トリロジー(3部作)」の逸品
これまで蔵と輸入元倉庫で保管され、2025年12月に輸入元様から特別価格で入荷した好コンディションのシャトー蔵出し品のバック・ヴィンテージ
[シャトー・シュヴァル・ブラン2020]
シュヴァル・ブラン(白馬)という美しい響きの名前を持つシャトー・シュヴァル・ブランは、シャトー・オーゾンヌと共に、サン・テミリオンの格付けの頂点、「プリミエ・グラン・クリュ・クラッセA」(第一特別級A)に君臨しています。(*注:2021年7月に撤退を表明)
五大シャトーとこのシュヴァル・ブラン、オーゾンヌ、シャトー・ディケムを合せてボルドーの八大シャトーと呼ばれることもあります。
シュヴァル・ブランは、サン・テミリオンとしては、著しく独特なワインです。醸造的な特徴は、カベルネ・フランとメルローを同じくらいの割合で使用するという異例なブレンドで、ポムロールに近いとも言えます。
ポムロールとの境界線付近の“Les Graves de Saint-Emilion(サンテミリオンの砂利)”と呼ばれる地域一帯は、サン・テミリオン地区の中でも珍しく砂利が多く堆積している土壌ですので、サン・テミリオンのほとんどのシャトーがメルローを主体とした葡萄を植えているのに対して、シャトー・シュヴァル・ブランの36haの畑では地元では「ブショ」と呼ばれるカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨンといった品種を多く植えているのです。
ボルドーの八大シャトーの一つであるこのワインが魅力的な埋由の一つに、それらのワインの中で最も飲み頃の期間の幅が広いということがあります。
シュヴァル・ブランが持つ若いうちから飲める能力や早熟さ、にもかかわらずカベルネ・フランの比率が高いため50年以上も熟成できる成長能力、バランスの良さや強烈な充実感は、どこかシャトー・オー・ブリオンに似ているとも言えます。
こちらはボルドーの優良年2020年のシャトー蔵出し品のバック・ヴィンテージ[シャトー・シュヴァル・ブラン2020]で、パーカーポイント96点を獲得した逸品です。
2018年、2019年、2020年は3年続いたボルドーのグレート・ヴィンテージであり、「トリロジー(3部作)」とも呼ばれています。その中で、2020年は、遅霜や雷雨など局地的な天候被害も発生しましたが、開花時期には好天で、色付きから収穫までの時期の充分な日照量に恵まれました。その一方で、6月中旬から約50日ほぼ雨が降らず、夏は非常に乾燥し、8月中旬の大雨を除いて収穫まで非常に乾燥した天候となったため、特に砂利質の土壌では水不足が激しく、8月31日はシュヴァル・ブランで記録された中で最も水不足となりました。
9月に入って、気温30度を超える熱波も起きたことで、収量は平均25~30%ほど少なくなったものの、葡萄は小粒で果皮が厚く、特に早熟のメルロは全体的に高い品質で収穫されました。また、暑さと乾燥に強いカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの出来栄えも見事なものとなりました。
上述の葡萄の状況から、[シュヴァル・ブラン2020]のセパージュは、「メルロー 65%、カベルネ・フラン 30%、カベルネ・ソーヴィニヨン 5%」で、他のヴィンテージよりも少し多くのメルローが含まれていることが特徴で、夏は非常に乾燥し、秋は酷暑という極端な気候条件を反映し、力強く熟したノーズと濃厚なタンニンのストラクチャーを持つワインが生まれました。ご参考までに2018年〜2019年のトリロジー(3部作)と言われる他のグレートヴィンテージと比較すると、2018年は、「メルロー54%、カベルネ・フラン40%、カベルネ・ソーヴィニョン6%」、2019年は「メルロー58%、カベルネ・フラン34%、カベルネ・ソーヴィニョン8%」でした。
ワイン愛好家にとってもう一つ嬉しいことは、ブルゴーニュとは正反対にシャトーの蔵出し価格がかなり値下げされていることで、これには新型コロナの世界経済への影響や最大の輸入国米国のフランス産ワインに対する関税のアップ等が影響しているようです。
従いまして、秀逸なヴィンテージながら比較的お求めやすい価格で今回ご案内する[シュヴァル・ブラン2020]の予想される飲み頃は、2027〜2055年で、飲み頃まで暫くの辛抱が必要ですが、2055年まで成長が見込める長期熟成型です。誕生年や記念年のヴィンテージワインとしてこの機会にリザーブしておきたいワインとしてお薦めです。
こちらの商品は、ラックコーポレーション様輸入のシャトー蔵出し品で、店舗内セラー保管商品です。
商品名:シャトー・シュヴァル・ブラン 2020
[サン・テミリオン格付け第一特別級A]
仏語名:2020 Chateau Cheval Blanc
[Saint-Emillion Premiers Grand Cru Classes A]
容量750ml 赤ワイン
*注:1955年からスタートして今回が7回目となる最新2022年のサン・テミリオンの格付け発表が2022年9月8日に行われました。この発表前の2021年7月に、これまで別格の存在とされたシャトー・オーゾンヌとシャトー・シュヴァル・ブランの2シャトーが、2021年7月に審査基準を理由に格付けに参加しないことを表明しています。従って、2022年以降、シャトー・オーゾンヌとシャトー・シュヴァル・ブランは、最高位の「プルミエ・グラン・クリュ・クラッセA」には含まれておりません。