冷涼な気候がもたらすキレの良い酸とキンメリッジ土壌のミネラルを備えた「牡蠣とのマリアージュ」には最上の
畑名の付かない村名[シャブリ]
ラヴノーと並ぶシャブリ最高峰生産者ヴァンサン・ドーヴィサの霜害と病害により収量が激減した2021年のドメーヌ蔵出し正規品[シャブリ 2021]
早飲みタイプの白ワインというイメージのシャブリですが、実はムルソーやピュリニー・モンラッシェ以上に熟成可能なものが存在します。それがドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサとドメーヌ・フランソワ・ラヴノーの造るシャブリで、伝統的な樽醸造を守り続ける長熟シャブリの最高峰生産者です。両者の造りやワインのスタイルはよく似ていますが、それは両ドメーヌ現当主の父が義理の兄弟ということも関係しているかもしれません。
1970年代以降、シャブリではニュートラルで生産性のよいステンレスタンクを使った醸造が一般的になりましたが、現当主ヴァンサンの父、ルネは伝統的な小樽の使用を頑なに守り続けました。
樽のほとんどが何年も使用した古樽で、通常のピエス(228リットル)だけでなく、シャブリで昔から使われていたフイエット(132リットル)も見られ、その古典ぶりがうかがえます。ただし、当主のヴァンサンは、樽醸造はとりたててワインの品質を決める決定的要因ではなく、大切なのは畑だと主張しています。
現当主のヴァンサン・ドーヴィサは1957年生まれで、ディジョンの大学で醸造学を修了後父ルネと共にドメーヌに参画し、1998年に3haの区画で実験的にビディナミ農法を始め、その結果が良好なことから2002年にはすべての畑をビオディナミに転換した結果目に見えて土壌のバランスが改善され、病気が減り、腐敗果も少なくなったということです。
こちらの商品は、霜害と病害により、収量が大きく減少した2021年のドメーヌ蔵出し正規品、村名[シャブリ 2021]です。
1級ラ・フォレに隣接する面積1.80haの区画の葡萄から造られるシャブリは、ワインの密度では1級、特級にかなわないとはいえ、人々が最高のシャブリに求める研ぎ澄まされたシャープネスとミネラル感はしっかり備えており、キンメリジャン土壌ゆえのヨード香も強く、生ガキと合わせるなら最上の1本です。
”生牡蠣にシャブリ”は、昔からワインと料理のマリアージュの定番として人口に膾炙していますが、実際には樽香で味わいや香りに厚みをだした特級・一級シャブリよりも酸味の強い村名シャブリの方が牡蠣にはお薦めです。このあたりの事情は人気漫画「神の雫」第3巻に掲載されていますので、ご存じの方も多いと思います。
しかし、ブルゴーニュのコート・ドール地区より更に緯度が高く、フランスの冷涼産地の象徴的存在であるシャブリ地区は、近年の気候変動による影響を強く受け、生産量が少なくなっており、特に人気最高峰生産者ヴァンサン・ドーヴィサの造る特級・一級のシャブリは入手困難で、こちらの畑名の付かないシャブリも以前よりはるかに入荷量が減少しています。
特に、2021年ヴィンテージは、4月6日に霜が降り、翌日は降雪で、4月15日まで葡萄の木が雪に覆われ、更に7月と8月初旬の悪天候でさまざまな病気が発生するなど過酷な気象の変化が相次ぎ、栽培家は常にそれに対応し、気を配らなければなりませんでした。
しかし、栽培家の努力と8月の乾燥した天候のおかげで最悪の事態は食い止めることができ、2021年のシャブリは、収量は大きく減少したものの、シャブリ特有の新鮮な柑橘類の香があり、糖と酸のバランスに優れ、ブルゴーニュワイン愛好家が好む典型的な出来栄えのものとなりました。
また、シャブリ委員会では、シャブリの2021年について、公式HPで次のように報告しています。『ぶどう栽培にとっての2021年は、最後の一日まで、生産者を不安にさせるものであった。ぶどう樹の生育の再開が早かったために被害が悪化した4月の霜に始まり、収獲まで、天候の急激な変化の速さをみせつけてきた。シャブリの典型的な目印といえるワインの張りは、しっかりと存在し、かなり涼しかった天候のおかげで維持されている。このヴィンテージは、収穫量は歴史的に少ないが、その特徴は典型的と言える。』
こちらの商品は、ラックコーポレーション様輸入の蔵出し正規品で、店舗内セラー保管商品です。
【商品内容】
商品名:シャブリ 2021
仏語名:2021 Chablis
生産者:ドメーヌ・ヴァンサン・ドーヴィサ
(Domaine Vincent Dauvissat)
容量 :750ml
タイプ:白ワイン