250年以上の伝統が生き続けるオーセイ・デュレスの老舗ドメーヌ

[コート・ドールの隠し玉]とも呼ばれる赤白ともコストパフォーマンスの高い秀逸なワインを造る生産者

【ドメーヌ・ラフージュ】

 〜Domaine Lafouge〜

 ラフージュ家は5世代に渡りオーセイ・デュレスにワイン畑を所有する一族で、 1765年に先祖のフランシス・ラフージュが始めて以来、ワイン造りの伝統が生き続けています。

 この数十年でドメーヌは着実に拡大し、今日では12ヘクタールの畑を所有するまでに成長しました。現在、ジャン、その息子で現当主のジル、ジルの息子マキシムの3世代で出荷するワインのテイスティングを行っています。ジャンは引退したものの、まだまだ現役でドメーヌのために働いているようです。

 現当主ジル・ラフージュの父ジャンが、トロ家の姉妹と結婚したことから、ドメーヌ・トロ・ボーのナタリー・トロとは縁戚関係で、意見交換をする間柄でもあります。

 ドメーヌでは、主にオーセイ・デュレスのヴィラージュの白、赤、1級、そして1ヘクタールのムルソー、1ヘクタールのポマールを生産しています。何世紀も前から、街の中心に位置する古い建物に設備を構えていましたが、2016年、古い樽用のセラー、在庫の保管場所、出荷のための作業場、白・赤ワインの醸造所の醸造設備を一揃い新設しました。これにより現在の仕事をより快適に、合理的に一つの機能的な場所で行えるようになり、新施設で丹念に造られるワインは、昨今の品質的な要望にしっかりと応えることができるようになっています。

 ドメーヌ・ラフージュは、オーセイ・デュレスのワイン造りに情熱を持って取り組み、赤の一級[クリマ・デュ・ヴァル]、[ラ・シャペル]、[レ・デュレス]、[レ・ゼキュソー]、白の[レ・ブトニエール]、[レ・オーテ]等のACオーセイ・デュレスのクリマ毎の個性が楽しめる赤白とも素晴らしい品質のワインを造ってきており、近年ブルゴーニュワインの価格が高騰する中で、コストパフォーマンスの高い秀逸なワインは注目されており、[コート・ドールの隠し玉]とも言われる生産者です。

 畑での作業を大切にし、最も傾斜のある丘で土壌を耕し、草を刈り、定期的に剪定。栽培は基本的にリュット・レゾネ、もしくはリュット・ビオロジック。また古木も多く、最も古いもので92年のものもあります。

 オーセイ・デュレスという少しマイナーなアペラシオンを中心にワイン造りをしてきたドメーヌ・ラフージュでしたが、2020年12月に素晴らしい宝物を手に入れます。それが、ムルソーのモノポール畑[クロ・ド・ルージョ]です。

 ムルソーの村名格畑レ・ルージョは、ルージュ(赤)から派生している畑名で、土が赤く、鉄分を多く含む土壌で、リッチなキュヴェで長熟なワインを生み出します。面積3.13haのレ・ルージョ全体では6名が所有しており、その中に白ワインの魔術師と称えられるコシュ・デュリも含まれています。

 このレ・ルージョの中に石垣に囲まれた面積1haのクロがあり、これがラフージュの新たなモノポール[クロ・ド・ルージョ]で、このモノポール区画で白ワイン[ムルソー クロ・ド・ルージョ]を造ることとなりました。区画は、東向きの斜面にあり、葡萄樹は1982年植樹のものです。ルーロやピエール・モレも持っている高名な村名格畑レ・テソンに隣接する区画の上から下までがクロで覆われています。ブルゴーニュワイン大全の著者ジャスパー・モリス氏は、その著書の中で『斜面下部から畑に向かうと、高い壁で囲ったレ・ルージョが見え、入り口には[クロ・ド・ルージョ]の銘がある』と記しています。

 下に、ムルソーの葡萄畑地図と斜面下からクロ・ド・ルージョを望む写真を掲載しておりますので、ご覧下さい。

 この畑は、友人のファミリーが所有していましたが、後継ぎがいないため、ラフージュ家への売却を決めたもので、記念すべき初ヴィンテージは2021年。ドメーヌ・ラフージュの新たなフラッグ・シップ・キュヴェとして注目されています。

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