モレ家は、シャサーニュ・モンラッシェ村最古の一族で、その歴史は1643年のクロード・モレまで遡ります。ドメーヌの基礎を築いたのは1793年のアレクシス・モレで、それ以降今日まで輝かしい歴史を築き上げてきています。ドメーヌ・ヴァンサン・エ・ソフィー・モレの当主ヴァンサン・モレはモレ家の10代目の世代にあたり、父はかつてシャサーニュの白の名手として大変な人気を得ていた、ベルナール・モレです。
ベルナールにはヴァンサンとトマの二人の息子がおり、兄のヴァンサン・モレはボーヌのドメーヌやサン・テミリオンでの修行の後、1986年から父の下でドメーヌ・ベルナール・モレの運営に携わってきましたが、2006年のベルナールの引退に伴い、父の醸造施設を継承すると共に、父が所有する畑を弟トマ・モレと分割して引継ぎます。そしてサントネイ出身の妻ソフィーと共に設立したのが、夫妻の名前を冠したドメーヌ・ヴァンサン・エ・ソフィー・モレです。ちなみに、この時に弟トマが設立したドメーヌがドメーヌ・トマ・モレです。
ドメーヌの所有畑は夫妻の双方の実家から継承したため総面積は20haとかなりの規模となり、白はシャサーニュ・モンラッシェ中心、赤はサントネイ中心のラインナップですが、やはり白の名手ベルナール・モレの畑と精神を受け継いだシャサーニュ・モンラッシェやピュリー・モンラッシェを中心とした白ワインが大変人気があります。
こちらの商品は、春先に二度にわたってブルゴーニュを襲った霜害により、クリマの60%の葡萄を失った2016年のドメーヌ蔵出し正規品のバック・ヴィンテージ「シャサーニュ・モンラッシェ一級レ・カイユレ2016」です。
シャサーニュ・モンラッシェ一級レ・カイユレは、小石の多い砂利質の土地で、他の一級畑に囲まれた中央部に位置する、面積10.68haの非常に立地条件の優れた畑で、シャサーニュの白向きの最上の土壌の一つと言われ、10年から15年の長熟に耐えるワインを産みだします。
下にシャサーニュ・モンラッシェの葡萄畑地図を掲載していますので、その位置をご確認下さい。(下地図中の��番)

ボルドーのサン・ジュリアンの高名なスーパー・セカンドのシャトー・デクリュ・ボーカイユのボーカイユ(Beaucaillou)とは「美しい小石」と言う意味であることは良く知られていますが、一級畑カイユレのクリマ名もまた、「小石が多く土が少ない土質」(Cailleux)に由来しています。
ドメーヌ・ヴァンサン・エ・ソフィー・モレがこのレ・カイユレに所有する区画面積は0.34haですが、レ・カイユレは、シャサーニュ・モンラッシェを代表する畑の一つであるだけに、ピエール・イヴ・コラン・モレやギィ・アミオ等他の多くの著名生産者もレ・カイユレに畑を所有しており、これら他の造り手との飲み比べも楽しみです。
また、2016年ヴィンテージは春にブルゴーニュ全域を二度にわたって襲った霜害により、大打撃を被り生産量が激減した年です。例えば、コート・ド・ボーヌ地区ではモンラッシェ畑は壊滅的な被害を受けて収穫量が激減し、各ワイナリー単独でワインが醸造できず、DRCやコント・ラフォン、ルフレーヴ等6つのドメーヌが葡萄を持ち寄り、その葡萄からたった2樽ほどのモンラッシェが共同で造られたほどで、実際にヴァンサン・エ・ソフィー・モレのレ・カイユレも60%の葡萄が霜害で失われたようです。しかし、その後の天候回復により、霜害を乗り越え逞しく育った葡萄からは素晴らしいワインが造られ、優良年と評価されていますが、生産本数が減っていますので、2016年のバック・ヴィンテージは貴重です。