シャンパンは、1252年には記録に登場する歴史ある一級畑です。面積は11.19haで、県道を挟んでタイユ・ピエの斜面下に位置していますが、赤褐色の石灰質の強い土壌で非常に石が多く、水はけの良い畑です。
「シャンパン」と聞くとシャンパーニュの発泡ワインと思いがちですが、この「シャンパン」とは「畑が斜めになっている」という意味で、ヴォルネイを代表する赤ワインです。
ヴォルネイの一級畑の中では赤土が多く、痩せた区画で低地では砂利が多い粘土質で高地になるにつれて岩肌が露になりゴツゴツとした石灰土壌になります。
この石灰質土壌からくる力強さとボリュームの調和がとれていてヴォルネイのキャラクターを一番良く表現しているワインであることから、「ヴォルネイの神髄」とも評価され、非常に人気があります。
ドメーヌがこのシャンパンに所有する畑面積は0.59haで、植えている葡萄は樹齢60年以上のヴィエイユ・ヴィーニュです。畑では厳格なリュット・レゾネ栽培をし、化学肥料と除草剤は一切使用していません。醸造は木製発酵槽で発酵後、新樽率10%で20ヶ月間熟成させます。
中興の祖として現在のドメーヌの礎を築いた3代目当主アルマンド・ドゥエレ女史は、昼食では自社のモンテリを飲み、晩餐では成熟したヴォルネイ・シャンパンの古酒を飲んで死ぬまでドメーヌを切り回したという伝説の女性です。
こちらのヴォルネイ一級アン・シャンパン1999は、アルマンド・ドゥエレ女史が愛したワインですが、まだアンドレ・ポルシュレ氏が現役時代の逸品で、しかもヴィンテージは20世紀最後の優良年1999年です。2017年5月にドメーヌ蔵出しで入荷した古酒で、状態も良好です。