モレ・サン・ドニのドメーヌ、ピエール・アミオの次男クリスチャン・アミオは、1975年にシャンボール・ミュジニーのドメーヌ・セルヴェル・タショの娘エリザベートと結婚します。当主のジャン・セルヴェルには跡取り息子がないため、クリスチャン・アミオが1981年から義父の下で働き始め、栽培も醸造も義父から手ほどきを受け、1990年に名称を新たにドメーヌ・アミオ・セルヴェルとし、ドメーヌを継承します。
2010年から出身家で兄が継承したモレ・サン・ドニのドメーヌ・ピエール・アミオから、父の遺産相続に伴い特級クロ・サン・ドニやシャルム・シャンベルタン等を得て所有畑を拡大していますが、やはりこのドメーヌの華は婚家が元々所有していたレ・ザムルーズを筆頭とするシャンボール・ミュジニーの銘醸一級畑群です。
シャンボール・ミュジニーには24もの一級畑がありますが、実は畑名のついた一級ワインを目にすることはあまりありません。その理由は、この村の一級畑の面積がいずれも小さい上に、各ドメーヌがそれぞれに所有する区画の面積が小さいことにあります。ほんのわずかの畑からの収量では醸造がしにくいことや知名度の低いクリマ名もあり、複数のクリマをブレンドしてシャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュとして売った方がメリットが大きいからです。
そんな中で、ドメーヌ・アミオ・セルヴェルは複数の畑名付の一級ワインをリリースする数少ない造り手の一人です。アミオ・セルヴェルがシャンボール・ミュジニーに所有する一級畑は、レ・ザムルーズ(0.45ha)を始め、レ・シャルム(1.27ha)、デリエール・ラ・グランジュ(0.26ha)、レ・プラント(0.39ha)、レ・フスロット(0.17ha)といずれも小さいものですが、それぞれを単独に仕立てています。
こちらの商品は、レ・ザムルーズに次ぐ申し分のない一級畑との評判をとっているレ・シャルムです。レ・ザムルーズと同一等高線上にあるレ・シャルムは扇状地に広がる小石の多い畑で、小さな面積の畑が多いシャンボール・ミュジニー一級畑群にあって、9.01haもの面積をもつ最大のプルミエ・クリュであることから、アミオ・セルヴェルの他、ポンソ、ジスレーヌ・バルト、パトリス・リオン、クリスチャン・クレルジュ等の有力な造り手がレ・シャルムを造り、腕を競っています。
ドメーヌ・アミオ・セルヴェルは、ここに1.27haの畑を所有しており、シャルムというクリマ名(フランス語で「魅了する」の意)の通り、実際の味わいも繊細かつエレガントで、レ・ザムルーズとタイプが似た素晴らしいワインを造っています。
ドメーヌ・アミオ・セルヴェルは、元々シャンボール・ミュジニーのトップ生産者で、レミントン・ノーマン著の「The Great Domaines of Burgandy(ブルゴーニュの偉大なドメーヌ)」にもシャンボール・ミュジニーの偉大な造り手として紹介されています。参考までにこの本の中でシャンボール・ミュジニーの偉大な造り手として挙げられているのは6ドメーヌで、ヴォギュエ、ルーミエ、ミュニエの三巨頭とルイ・ボワイヨ、ジスレーヌ・バルト、そしてこちらのアミオ・セルヴェルですので、フランス国内や欧州での高い評価のほどがわかります。
日本でも2012年3月発行の美術出版社の「ブルゴーニュ・アペラシオン完全ガイド」の中でアミオ・セルヴェルのレ・シャルムはクリマを代表する造り手として紹介されており、更にレ・ザムルーズにおいてもクリマを代表する造り手としてルーミエ、ヴォギュエ、ミュニエの三巨匠を抑えて写真入りで紹介されており、その品質の高さは折り紙つきです。
また、同じく美術出版社のワイナート66号のシャンボール・ミュジニー特集の中でもジョルジュ・ルーミエ、ヴォギュエ、ジャック・フレデリック・ミュニエら錚々たる生産者と共にトップ生産者として紹介されていますが、いかんせん生産量が少なく、大半がフランス国内の顧客やレストランで消費されるため、日本でそのワインを目にすることはあまりありませんが、畑や葡萄に対するこだわりと品質、更にリーズナブルな価格といい、店長お薦めの生産者です。