アンリ・ジャイエの伝統を引き継ぐ名門ドメーヌが
グレートヴィンテージの2009年に限定して最良区画モーペルテュイ単独の葡萄で仕立てた極上かつ稀少な2009年特別キュベ
クロ・ド・ヴージョ グラン・モーペルテュイ2009
ブルゴーニュの神様アンリ・ジャイエに育てられ、その薫陶を今に受け継ぐブルゴーニュ屈指の名門ドメーヌ・メオ・カミュゼについては、他のページでも詳細をご説明しておりますので、ここでは省略し、特級畑クロ・ド・ヴージョとその中の小区画モーペルテュイそしてドメーヌ・メオ・カミュゼとの関係を中心にご案内いたします。
まず、ヴージョ唯一の特級畑クロ・ド・ヴージョについてです。この畑は1098年のシトー派の修道院設立によって始まり、約千年もの由緒ある歴史を有する偉大な畑です。
ところが良く知られているように、50.96haもの広大な畑に78もの所有者が存在しています。畑は最上部では特級畑ミュジニーやグラン・エシェゾーに接する一方で、最下部では国道74号にまで達しており、そのテロワールは均一なものではありません。またこれに生産者の技量も加わることから、期待外れのワインも多く、まさに「玉石混交のワイン」となっており、クロ・ド・ヴージョは非常に選択が難しいワインです。
一つの畑に複数の生産者が存在することの多いブルゴーニュでは「畑と生産者を見て買え」と言われますが、特にこのクロ・ド・ヴージョでは「畑の小区画と生産者を見て買え」と言われ、その意味で最もブルゴーニュらしいワインと言えます。
下にヴージョ村の葡萄畑の概略地図を掲載したのでご覧ください。この地図は、当店店長が、ブルゴーニュ大全等の資料を基にエクセルで描画したオリジナルの地図なので、縮尺(畑の大きさ)は正確ではありませんが、クロ・ド・ヴージョの小区画や主要所有者の保有区画、更にヴージョ周辺の村の葡萄畑の位置関係の理解の参考になると思います。
メオ・カミュゼのヴージョの畑面積は合計で3.03haですが、その中心となる区画の位置は、クロ・ド・ヴージョ城に隣接する最上の区画の一つシウル[Chioures]のもので、初代エティエンヌ・カミュゼが1920年にクロ・ド・ヴージョ城と一緒に手に入れたものです。
下の写真はクロ・ド・ヴージョ城正面から左手に広がるメオ家が所有する小区画シウルの葡萄畑です。
メオ・カミュゼは、これ以外にも特級畑グラン・エシェゾーと接するヴージョ最高の小区画グラン・モーペルテュイ[Grand Maupertui]内等にも分散して少量の畑を所有しており、これらをブレンドして最上級のクロ・ド・ヴージョを造っています。
このように毎年リリースされるメオ・カミュゼの特級クロ・ド・ヴージョは、最良の小区画の一つシウルの葡萄を中心に、最高小区画グラン・モーペルチュイ等の少量の葡萄をブレンドしたブルゴーニュ最高峰の名門ドメーヌが造る極上の逸品なのです。
通常年のクロ・ド・ヴージョは下の写真をクリックしてどうぞ
ところがグレート・ヴィンテージとなった2009年は通常年と異なり、葡萄の出来が非常に良かったことから、メオ・カミュゼはエチケットも異なる2銘柄のクロ・ド・ヴージョをリリースしました。
一つは、従来通りのシウルの葡萄を中心としたもので、名称は「クロ・ド・ヴージョ プレ・ル・セリエ= PRES LE CELLIER」、もう一つが最高区画グラン・モーペルテュイの葡萄だけで単独で仕立てたこちらの「クロ・ド・ヴージョ グラン・モーペルテュイ=Grand Maupertuis」です。
プレ・ル・セリエとは、小区画名ではなく「醸造所の近く」という意味で、クロ・ド・ヴージョ城がかつては醸造所であったことから城周辺の区画の葡萄を中心に使ったことを示しているのでしょう。
一方、グラン・モーペルテュイは、ヴージョ上部かつ特級畑グラン・エシェゾーに接する最高の小区画名であり、この区画の葡萄のみを使ったクロ・ド・ヴージョです。
ブルゴーニュ愛好家の皆様は既にご存知のことと思いますが、メオ家の所有するグラン・モーペルテュイには少し説明が必要です。
実はこのグラン・モーペルテュイの畑は、大地主のメオ家がまだドメーヌ元詰めを行っていなかった1966年に、ブルゴーニュの神様「アンリ・ジャイエ」と親交のあった優れた葡萄栽培小作人ジャン・タルディーにメタヤージュ契約(分益耕作契約)を結んでいたものです。ちょうどアンリ・ジャイエがメオ家からメタヤージュ契約をして造っていたリシュブールと全く同じ形態です。
ですから、この区画での畑の耕作、葡萄の栽培・収穫はジャン・タルディーがすべて行い、メオ・カミュゼは収穫された葡萄の半分を受け取っていました。メオ・カミュゼのクロ・ド・ヴージョは、シウルの区画の葡萄とジャン・タルディの栽培したグラン・モーペルテュイの葡萄をブレンドして造ってきたものです。
一方、ジャン・タルディも収穫した葡萄から、ドメーヌ・ジャン・タルディ[Domaine Jean Tardy]の名前で、2007年ヴィンテージまで「クロ・ド・ヴージョ グラン・モーペルテュイ」を造ってきました。
ドメーヌ・メオ・カミュゼは現当主ニコラ・メオ氏がドメーヌを継承した1980年代後半から、メタヤージュ契約を順次解消し、ドメーヌ元詰めをする方向に転換したことから、リシュブールやコルトン等多くの畑が契約期限切れに伴い、メオ家に返還されてきました。これまで愛着をもって世話をしてきた畑と葡萄樹を、契約とはいえ返還という形で奪われる小作農家や家族経営の小ドメーヌの気持ちは察するに余りあるものですが、これが厳しい現実なのです。
そして、メオ・カミュゼにとって、最後までメタヤージュ契約が残っていたのがこのクロ・ド・ヴージョのグラン・モーペルテュイの区画で、2007年にそのメタヤージュ契約の期間が終了し、この畑もメオ・カミュゼに返還されたのです。
ただ、返還されたグラン・モーペルテュイは0.2haほどの極小の区画であるため、メオ・カミュゼに帰ってきた2008年ヴィンテージ以降も、グラン・モーペルテュイ単独では仕立てず、従来と同じくシウル等の区画とブレンドしてクロ・ド・ヴージョを造っています。
唯一の例外が、グレート・ヴィンテージの2009年なのです。この2銘柄のクロ・ド・ヴージョは品質にはそれほどの差はないと思われます(生産本数も少なくとても試飲できません)が、この「クロ・ド・ヴージョ グラン・モーペルテュイ2009」は、メオ・カミュゼでは、これまで一度もリリースされていない小区画名のついた新銘柄であることや、3ha弱の面積のシウルの区画の葡萄を使ったプレ・ル・セリエと比べて生産本数も圧倒的に少ないことからすぐに完売し、市場から姿を消しました。
これに加えて、2009年以降、最新ヴィンテージの2013年まで一度もリリースされていないことから、更に稀少性を増すこととなり、バック・ヴィンテージで、しかも超優良年の「クロ・ド・ヴージョ グラン・モーペルテュイ2009」はとても貴重です。
是非この稀少なグラン・モーペルテュイをコレクションにお加え下さい。
こちらは、店舗内セラー保管商品となります。
【商品内容】
商品名:特級 クロ・ド・ヴージョ
グラン・モーペルテュイ2009
仏語名:2009 Clos de Vougeot
Grand Maupertuis Grand Cru
生産者:ドメーヌ・メオ・カミュゼ
(Domaine Meo Camuzet)
容量 :750m
タイプ:赤ワイン