〜Domaine de La Pousse d'Or〜

二つの甲乙つけがたい由緒あるモノポールを持ち

1505年まで歴史を遡れる名門ドメーヌ

【ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドール】


 ドメーヌ・ド・ラ・プス・ドールの歴史は1505年までさかのぼり、かつては貴族が所有し、19世紀には当時のDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のオーナー、ジャック・マリー・デュヴォー・ブロシェも所有していた名門ドメーヌです。

 1964年から、名醸造家ジェラール・ポテル氏が所有し、このドメーヌをさらなる隆盛に導き、その名声を揺るぎないものにしていましたが、1997年に急死し、売りに出され、現在のオーナーであるパトリック・ランダンジェが購入し、今日に至っています。

 新オーナーのランダンジュ氏は医療器械のビジネスで成功し、ブルゴーニュに別荘を持っており、いつかドメーヌを所有したいと思っていた実業家でしたが、このドメーヌを手に入れるや否や、200万〜300万ユーロの資金を投じて、醸造施設や発酵用の木桶、他の設備も一新します。

 特に1999年に完成した醸造施設は6層構造になっており、収穫から醸造、樽熟成、瓶詰めまで、ポンプを一切使わず重力でブドウ果汁やワインが流れる仕組みになっている優れたものです。

 ランダンジェ氏が投資したのはこうした設備だけに止まらず、葡萄畑の拡張も意欲的でした。 1998年にコルトン・クロ・デュ・ロワ(1.45ha)とコルトン・ブレッサンド(0.48ha)を手に入れ、2004年にピュリニー・モンラッシェ1級カイユレ(0.73ha)も入手します。

 そして2008年にはシャンボール・ミュジニーのドメーヌ・モワンヌ・ユドロを買い取り、村名シャンボール・ミュジニー(1.41ha)、1級のグロゼイユ(0.52ha)、フースロット(0.42ha)、シャルム(0.19ha)、レ・ザムルーズ(0.20ha)、そして特級ボンヌ・マール(0.17ha)をラインナップに収め、下の所有畑一覧の通り、コート・ド・ニュイからコート・ド・ボーヌにまで畑を所有する大ドメーヌとなっています。

 ドメーヌの名称プス・ドールは、ドメーヌがシャトーの建物のすぐそばに単独所有するモノポール「クロ・ド・ラ・プスドール」(当時)の名をとったものです。このクロ・ド・ラ・プスドールは、ブルゴーニュ大公家が所有し、その後、フランス王家のものとなった由緒ある畑ですが、「プス=Pousse」とは、「若芽とか新芽」の意味ですから、プス・ドールは、直訳すると「黄金の新芽」となります。 いかにもドメーヌや葡萄畑の名称としてふさわしい名前ですね。

春、眠りから覚めた葡萄の木が黄金の新芽を芽吹くこんなイメージです。

 ところが、1967年にフランス政府はドメーヌが一つの畑のワインしか作っていない場合を除き、葡萄畑の名称をドメーヌ固有のものとして使用することはできないと決定します。

但し、なぜかロマネ・コンティだけは例外の扱いとなりますが、この事情をマット・クレイマー氏は、「フランス人が王権に縁のあるものにからきし弱いため」と、その著書の中で書いています。 そこでドメーヌ・プスドールはドメーヌ名をそのままにして、畑の方を「ブス・ドール(Bousse d'Or)」に変えてしまったのです。ですから、畑の名称は、1967年以降、「クロ・ド・ラ・ブスドール」となっています。

 

 このドメーヌ名に誘われたのでしょうか。プス・ドールは、名醸造家ジェラール・ポテル氏の時代に、数多くの若手の修行の場になったことでも知られます。

 特に有名なのは、ドメーヌ・デュジャックの創業者ジャック・セイスで、彼はドメーヌ創設前プスドールで2年間修行します。その後父から受け継いだ製菓会社を売却し、1968年モレ・サン・ドニのドメーヌ・グライエを買収し、今日の大ドメーヌの地位を築いていますので、プス・ドールは恩人とも言えます。 また、ジェラール・ポテルの子息、ニコラ・ポテル氏も1992年にプス・ドールに入り、父の下で教えを受け、父の死後、自分のドメーヌを立ち上げています。

 ドメーヌ・ド・ラ・プスドールのワインはどれも洗練されていて、果実味、酸、タンニンなどブルゴーニュワインの醍醐味を余すところ無く表現しています。 その中でもドメーヌが所有する自慢の二つのモノポール、「クロ・ド・ラ・ブスドール」と「アン・カイユレ クロ・デ・ソワサント・ウーヴレ」は、ヴォルネイの力強さと共に、エレガンスも備わった、いずれも甲乙つけ難い非常に質の高いワインで、買収により様々なアペラシオンが増えましたが、やはりヴォルネイを語る上で欠くべからざるドメーヌのひとつです。

 

 ラ・プス・ドールでも世代交代があり、2018年に、2014から2017ヴィンテージまで父と共に醸造に携わっていた、子息の ブノワ・ランダンジェ氏が新たに当主に就任し、ドメーヌが所有する卓越したテロワールをもつ畑から最高のワインを造るべく、ビオディナミへの転換の他、醸造ではアンフォラを採用するなど、ドメーヌはさらなる挑戦と発展を続けています。

[ 並び順を変更 ] - おすすめ順 - 価格順 - 新着順
全 [45] 商品中 [1-12] 商品を表示しています 次のページへ




全 [45] 商品中 [1-12] 商品を表示しています 次のページへ

Your recent history

Category

Recommended