1829年創業の老舗名門シャンパーニュ・メゾン

オーク樽での発酵や長期熟成による高い品質で1884年から英国王室御用達の栄誉を授かる極上のシャンパーニュ

 【ボランジェ】

  〜Bollinger〜


 

 ボランジェは、ジャック・ボランジェによって1829年に創設された、名門シャンパーニュ・メゾンです。シャンパーニュ生産に必要な葡萄の70%を160haもの自社畑で賄い、オーク樽での発酵やカーヴでの長期熟成などによる品質の高さにより、世界的な名声を博しており、1884年から英国王室御用達(ロイヤル・ワラント)の栄誉を授かるメゾンで、ボランジェのシャンパーニュのエチケットには、その証として、認定者の「エリザベス女王の紋章」が印刷されています。

ボランジェの商品ラインナップの中でも看板となるのは、次の三つのシャンパーニュです。

(1)ラ・グラン・ダネ(La Grande Annes)とラ・グラン・ダネ ロゼ(La Grande Annes Rose)

   

  ラ・グラン・ダネは、「偉大な年」の名の通り、優良年にのみ造られるヴィンテージ・シャンパーニュで、グラン・クリュのピノ・ノワールを主体に、シャルドネをブレンドし、9年間もの長期の熟成期間を経てリリースされる、メゾンのスタイルを代表するシャンパーニュです。また、このラ・グラン・ダネをベースに優良年のみ造られる稀少な赤ワイン「ラ・コート・オー・ザンファン」をブレンドして造られるのがラ・グラン・ダネ ロゼです。

(2)アール・ディー(R.D.)

  

 「R.D.」は、出荷直前まで澱引きを行わない、他に類をみないコンセプトを持ったキュヴェで、R.D.は(Recemment Degorge=レサマン・デゴルジェ)の略で、「最近デゴルジュマン(澱引き)された」という意味です。フランスのワイン法では、ヴィンテージ・シャンパーニュの瓶内熟成期間は3年以上と規定されていますが、このR.Dの熟成期間は通常11年間で非常に長く、繊細で複雑なブーケと豊かな旨味が詰まった卓越したシャンパーニュです。

(3)ヴィエィユ・ヴィーニュ フランセーズ(Vieilles Vignes Francaises)

 

 「ヴィエィユ・ヴィーニュ フランセーズ」は、フィロキセラにより、フランスを始めとする欧州ではほぼ絶滅したフランス本来の自根を持つ葡萄樹の葡萄で造る超稀少なブラン・ド・ノワールで、ボランジェ最高のプレスティージュ・シャンパーニュであると同時に全シャンパーニュの頂点に君臨するシャンパーニュの一つです。

 

 19世紀半ばに発生した害虫フィロキセラ(ブドウネ・アブラムシ)により、壊滅的な被害を被って以降、フランスの葡萄樹は、フィロキセラに耐性のある北米産の台木に、フランス産の品種を接ぎ木したものとなっています。

 ボランジェは、アイ村に奇跡的にフィロキセラの難を逃れた二つの小さな区画「ショード・テール(Chaudes Terres:面積0.24ha)」「クロ・サン・ジャック(Clos St. Jacques:面積0.21ha)」を所有しており、この畑には接ぎ木ではなく、自根を持つフランス古来の葡萄樹が、昔ながらのプロヴィナージュ(provignage=取り木)により、栽培が続けられています。

(*注)ご参考までに、ヴィエィユ・ヴィーニュ フランセーズに使われる葡萄樹は、上述のフィロキセラ禍を生き延びたものですが、その葡萄樹が当時のまま現在まで生き残っているわけではありません。フィロキセラ以前、葡萄の繁殖は、プロヴィナージュにより行われていました。葡萄はつる性植物ですので、つるの一部に土を被せると節の部分から根が出てくるので、一定期間親株と繋いだ後に切り離して独立の樹としていました。これが取り木(プロヴィナージュ)で、このようにして代々子孫を残してきているのです。

 「ヴィエィユ・ヴィーニュ フランセーズ」とは、フランシュ・ド・ピエ(franche de pied=実生)つまり、「自根を持ち、接ぎ木されていないフランス・オリジナルの古樹」と言う意味で、畑面積も狭く、また葡萄の収量も低いことから、生産本数は約2,000本〜3,000本という、シャンパーニュでは異常な少なさで、シャンパーニュ愛好家垂涎の「クリュッグのクロ・ダンボネ、クロ・デュ・メニルと共に”死ぬまでに飲みたいシャンパーニュ”の一つ」と言われる稀少品です。

 2020年から、このヴィエイユ・ヴィーニュ フランセーズの弟版とも言える位置づけの二番目のブランド・ノワール、「ボランジェ PN VZ15」がリリースされています。このボランジェ PN VZ15は、ボランジェのDNAが刻み込まれた、ピノ・ノワールを極める新しいコレクションで、特級村ヴェルズネイ産のピノ・ノワールをベースワインとし、これにアイ村、プージィ村のピノ・ノワールがブレンドされています。このコレクションの記念すべき初のエディションが「ボランジェ PN VZ15」です。そして、2021年秋に第二弾となる「ボランジェ PN VZ16」がリリースされています。

 更に、映画007シリーズの中で常に登場するのもボランジェのシャンパーニュで、2021年11月公開予定の最新作25作目の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(NO TIME TO DIE)」とコラボレーションした限定キュヴェもリリースされています。

  上述のシャンパーニュで有名なボランジェですが、実は「隠し玉」とも言えるピノ・ノワール100%で造る非発泡性のAOCコトー・シャンプノワの赤ワインがあります。

 それが「ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン」で、優良年にのみアイ村のグラン・クリュの自社畑「ラ・コート・オー・ザンファン」のピノ・ノワール100%で仕立ててる稀少な赤ワインです。

 「幼児達の丘」という意味の「ラ・コート・オー・ザンファン(La Cote aux Enfants)」は、畑の斜面が急で身軽な子供しか入れなかったことに由来しているようですが、ブルゴーニュ愛好家にとって幼児(アンファン)と言えば、直ぐに頭に浮かぶのは、ボーヌ最良の一級畑グレーヴの中にブシャール・ペール・エ・フィスがモノポールで所有する「ヴィーニュ・ド・ランファン・ジェジュ(Vigne de l'enfant Jesus=幼子イエスの畑)」ではないでしょうか。アンファンの名を畑につけるのは、その名の通り、常に若さを保ち、長命であれとの願いが込められているように思います。

 1680年頃に発泡性のシャンパーニュが考案されるまで、シャンパーニュ地方の赤ワインは、ランスでの歴代の国王戴冠式等で振舞われ、王侯貴族を魅了し、フランス王室御用達ワインの座をブルゴーニュと競うほどの秀逸なものでした。その後発泡性のシャンパーニュの登場により、非発泡性のワインの生産は激減しますが、1974年にAOC「コトー・シャンプノワ(Coteaux Champenois」として赤、白、ロゼが認証され、現在もシャンパーニュの稀少なスティル・ワインとして珍重されており、その中で最も有名な赤ワインがこちらの「ボランジェ ラ・コート・オー・ザンファン」です。

 畑名がワインの名になっている点はブルゴーニュのワインと同じで、蘊蓄を語る意味でも正に知る人ぞ知る面白い存在の稀少ワインです。

 赤のコトー・シャンプノワは、偉大な三つの特級村のモンターニュ・ド・ランス地区のブジー村とアンボネイ村、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のアイ村のピノ・ノワールで造られ、ラベルにはコトー・シャンプノワと共に、ブジー・ルージュ(Bouzy Rouge)、アンボネイ・ルージュ(Ambonnay Rouge)、アイ・ルージュ(Ay Rouge)の様に村名が表記されます。

 このラ・コート・オー・ザンファンは、アンリ4世が「アイ村のルージュ(Ay Rouges)」として愛飲し、その豪華な宮廷の食卓を飾っていたワインの流れを汲む由緒ある歴史を有するもので、ブルゴーニュ愛好家の方には是非ブルゴーニュと飲み比べていただきたい赤ワインです。

 シャンパーニュ地区はフランスの葡萄生産地の北限であり、この地で育ったピノ・ノワールがブルゴーニュとどう違うのか、あるいは中世のフランス宮廷で、ブルゴーニュとトップの座を争った「アイ村のルージュ(Ay Rouges)」とはどのようなものであったのかを知るためにも大変興味深いワインです。

 ちなみに、ワイン評論家のティスティング・コメントを読むと、ラ・コート・オー・ザンファンは、ヴォルネイの赤に似たものを感じる方が多いようです。歴史的に見ても、ヴォルネイはブルゴーニュ公が11世紀始めに城郭を建て、この城がフランス歴代の王をもてなす迎賓館であったこともあり、フランス王室とは深いつながりがありました。ヴォルネイに「クロ」が付く単独所有畑が多いのは、王侯貴族がこぞって葡萄畑を開墾したためで、このような歴史的背景からも共通点があるのかもしれません。

 また、このラ・コート・オー・ザンファンは、専用木箱に入っており、ブルゴーニュ愛好家へのプレゼントとしても大変喜ばれるものです。

 なお、ボランジェがこのラ・コート・オー・ザンファンを造るのは、「ラ・グラン・ダネ ロゼ」を造る時に、ラ・コート・オー・ザンファンを5〜10%ブレンドするためでもあります。

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