1141年から続くブルゴーニュ最大のモノポールのグラン・クリュ

 約900年間、一切細分化されていない面積7.53haの稀有な特級畑

 【クロ・ド・タール】

  〜Clos de Tart〜


クロ・ド・タールは、モレ・サン・ドニの南端近く(*シャンボール・ミュジニーとの境界となるモレ・サン・ドニの最南端はブリュノ・クレールが所有するモレ側の特級ボンヌ・マール)に位置する7.53haの特級畑で、その歴史は古く、1141年にシトー派に属するタール修道院により畑が築かれたことに始まり、[石塀で囲まれたタール修道院の畑=クロ・ド・タール]の名の由来となりました。そして、それ以来今日まで広大な畑にもかかわらず、約900年もの長きに渡り、一切細分化されていないため、この間、一貫して土壌と品質の管理が行われ続けており、まさに「ブルゴーニュの至宝として圧倒的な存在感」を放つブルゴーニュ最大、かつ稀有なモノポールの特級畑です。

 また、クロ・ド・タールは、これまでの所有者が僅か4名と少ないことも特徴で、1789年のフランス革命で国庫に没収されるまではタール修道院に属し、1791年に売りに出されると、これを買い取ったのがマレ・モンジェ家で、1932年まで単独所有します。そして、1932年にモメサン家の手に渡って以降、85年間単独所有が続き、2018年1月1日をもってモメサン家からシャトー・ラトゥールやドメーヌ・デュージェニーを所有するフランソワ・ピノー氏が率いるアルテミス社傘下となりました。買収額は明らかにされていませんが、2億8千万ユーロ(邦貨換算で約380億円)とも言われています。

 一時期評価を落としたこともありましたが、1996年にオスピス・ド・ボーヌの醸造責任者を11年間務めたシルヴァン・ピティオ氏が支配人として就任して以来、品質をかつてないまでに高めることに成功し、2015年の退任後も、ドメーヌ・ド・ラルロの改革で天才とも呼ばれた著名なジャック・ディヴォージュ氏が就任、更に同氏が隣のドメーヌ・デ・ランブレイに移った2019年からはシャトー・グリエで醸造責任者を務めたアレッサンドロ・ノリ氏が引き継ぎ、クロ・ド・タールの世界的な名声と評価を更に高めています。

 クロ・ド・タールの畑は上の区画図の通り、300mx250mのほぼ長方形の形をしており、その周囲はその名の通り石塀で囲まれ、標高270m〜300mの東南東向きの斜面にあります。植えられている葡萄の平均樹齢は60年で最も古い樹は100年を超える古樹もあります。

 収穫時期は、完熟した葡萄を使うことから、この地区で最も遅いタイミングで行われることが多く、収量は丁寧な剪定と芽掻きによって、法定上限を遥かに下回るレベルの28hl/ha程度に抑えられています。

 興味深いことに、クロ・ド・タールの葡萄樹の畝は、ブルゴーニュでは珍しく斜面に対して垂直(等高線に平行)の方向に作られています。この向きは植物にとっては理想的な南北畝で、朝から夕方まで一日中日光を浴びることができ、雨・風による土壌の流失防止にも役立つ等の利点もありますが、その反面斜面の昇り降りではないため、機械化が難しく農作業は人の手に頼らざるを得ません。

 クロ・ド・タールの土壌は主に粘土を含んだ石灰質土壌ですが、単一畑と言っても均一なテロワールではなく、粘土と石灰質の割合等が微妙に異なるため、高名な土壌微生物学の権威クロード・ブルギニヨン博士の協力を得て、標高と土壌タイプに応じて、畑を水平方向に六つの区画に区切り、収穫も六つの区画それぞれで行われ、それぞれの区画毎の葡萄の状態に応じて除梗率や樽の産地を変える等、別々の方法でワインへと仕立てられており、最終ブレンドは瓶詰直前まで行われません。これがクロ・ド・タールに複雑味と深みを与えています。

 

 また、2006年から樹齢25年未満の樹を中心に、セカンドラベルの「モレ・サン・ドニ プルミエ・クリュ ラ・フォルジュ・ド・タール」のリリースを開始しました。「ラ・フォルジュ」の名前は1141年にタール修道院が所有を開始した当時にこの畑が呼ばれていた名称に由来するもので、セカンドとは言え、造りはクロ・ド・タールと全く同じで、ストラクチャーはグラン・クリュに及ばないものの、飲み頃が若干早めで、比較的早くからクロ・ド・タールの魅力をを楽しめるワインです。

 2018年から資金力のあるアルテミス社の傘下に入り、現在更なる醸造設備や施設のリノベーションが行われており、ますますの品質向上が期待されるクロ・ド・タールです。

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