シャブリ最高の特級畑レ・クロの中のモノポール区画「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ」を所有する名家

1985年にネゴシアン会社「J・モロー」売却の時に畑の持ち分を手放さなかった もう一つのモロー家のドメーヌ

 【ドメーヌ・ルイ・モロー】

        〜Domaine Lousi Moreau〜


 シャブリの特級畑の中で、最大かつ最上の特級畑が面積26.96haのレ・クロです。レ・クロの最大の所有者はウィリアム・フェーブルの4.11haですが、実はこれを大きく上回る所有者が、1814年からシャブリの地に本拠を構えるモロー家です。

 現在シャブリ地区にはモロー家の二つのドメーヌがあり、一つはこちらのルイ・モロー、もう一つは親戚のクリスチャン・モローで、両ドメーヌともそれぞれ3.61haのレ・クロを所有しています。従って、モロー家の2ドメーヌで合計7.22haを所有しており、レ・クロの約1/4を占める大地主です。

 

 この名家モロー家の特級畑レ・クロで特筆すべき点が二つあり、その一つは上の写真の通り、レ・クロの最下部のシャブリの案内板の後ろに位置し、1904年にレミー家3代目当主がシャブリ施療院から購入した面積0.82haのモノポール区画「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ(Clos des Hospice dan Les Clos=クロの中にあるオスピスのクロ)」を所有していることで、ルイ・モローが斜面上半分、クリスチャン・モローが斜面下半分を0.41haづつ分け合って、それぞれ年産2400本の希少な「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ」を造っています。

 

 もう一点は、大地主のモロー家ならではのことで、レ・クロの最上部、中間部、低い部分にそれぞれ区画を所有しており、区画毎に収穫し、ブレンドすることで、最上の特級畑レ・クロのあるべき姿を体現する際立った重さと濃さを備えたレ・クロを造っていることです。

 一般的には、斜面上が秀逸とされるレ・クロですが、湿度の高いヴィンテージには最上部の方が優れているものの、乾燥気味のヴィンテージでは、低い部分の方が優れたワインを生むことから、上斜面から下斜面に至る区画を所有するモロー家のレ・クロはこのクリマを代表するものとなっているのです。

 モロー家の発展は4代目ジャン・ジャック・モローがネゴシアン会社「J・モロー」ブランドを世界へ拡販した1970年代からで、成功を収めた後、ブランドをアライド・メドック社(現ボワゼ・グループ)へ売却し、モロー家は葡萄供給の長期契約を結ぶことになります。ドメーヌ・クリスチャン・モローは、その契約が完全に終了し一級、特級畑全てが戻ったのを機に、2001年にクリスチャン・モロー氏が新たにドメーヌを興したものです。

 

 一方、1985年にJ・モローが売却された時に、葡萄の供給契約を結び、畑の持ち分を手放さなかったもう一つのモロー家が、ドメーヌ・ルイ・モローで、1994年からルイ・モロー氏が当主として切り盛りし、供給契約期間が終了して、全ての畑が戻ってきた現在では特級、一級、シャブリ、プティ・シャブリ全てのカテゴリーをカバーする合計50haの畑を所有し、クリスチャン・モローより大規模なドメーヌとなっており、当主ルイ・モロー氏はブルゴーニュワイン委員会(BIVB)のシャブリ委員会会長の要職を務めています。

 ドメーヌの看板ワインは、勿論「レ・クロ」の最下部にあるモノポール「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ」で、真南向きの0.41haのキンメリジャン土壌の区画に1970年に植替えされた葡萄から木樽を使わずステンレスタンクにて醗酵。次いでマロラクティック醗酵を行い冬の間に澱とともに熟成させます。

 

 また、3.20haの通常版のレ・クロは石灰岩と石灰粘土質の南南西向き区画に植えられた1958年と1968植樹の古樹の葡萄を樽を使わず木全てステンレス醗酵、次いでマロラクティック醗酵を行い、冬の間に澱とともに熟成させます。木樽は使用せず、ステンレスタンクで熟成後、瓶詰めしており、年産6,000本です。

 モノポール「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ」と通常版の「レ・クロ」との飲み比べ、あるいは親戚のドメーヌ・クリスチャン・モローの造る「クロ・デ・ゾスピス ダン・レ・クロ」の飲み比べが個人的にも楽しみです。

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