親子二代にわたり、熟成ブルゴーニュだけをリリースする独自路線を歩むムルソーの老舗ドメーヌ

コート・ド・ボーヌで最も深く、冷涼な地下カーヴを有し、ムルソー最高の一級畑ペリエールを始めとする熟成美酒の造り手

【ドメーヌ・ロベール・アンポー】

       〜Domaine Robert Ampeau〜

 ドメーヌ・ロベール・アンポーは、日本ではあまり知られていない造り手ですが、実は自社カーヴで熟成させたワインだけを蔵出しでリリースするという独自路線を歩む「知る人ぞ知るムルソーの老舗ドメーヌ」です。

 現在のドメーヌ・ロベール・アンポーの当主は先代の亡父ロベールの後を継いだミシェル・アンポーですが、父の時代から、ブルゴーニュワインは熟成したものが美味しいということで、長期熟成型のワイン造りを行い、瓶詰後に自社ドメーヌのカーヴで何年も寝かせた後、当主が飲み頃と判断したものを蔵出しリリースしています。また、このような熟成ブルゴーニュの美酒を保管するため、ロベール・アンポーの所有するセラーは、コート・ド・ボーヌで最も深く、最も冷涼な地下カーヴだそうです。

 このような販売方法は、大規模資本のボルドーのシャトーやシャンパーニュのメゾンでは行われますが、家族経営で小資本かつカーヴのスペースの限られるブルゴーニュでは経営面でも難しく、このロベール・アンポーとモンテリに本拠を置く、兄弟ドメーヌのポティネ・アンポー以外には見つけることはできません。しかも、その熟成させたブルゴーニュの価格は極めてリーズナブルで、まさに独自路線を歩むユニークな優良生産者です。

 勿論、ワイン造りの腕前も一流で、専門家の評価も極めて高く、「ブルゴーニュワインがわかる」の著者マット・クレイマー氏は、その著書の中で、「ロベール・アンポー父子は、ムルソー屈指の造り手に挙げられてきたが、そのワインは見事な姿をしている。ムルソー・ブラニのラ・ピエス・スール・ボワ、そしてとりわけペリエールに注目したい」と絶賛しています。

 また、「ブルゴーニュワイン大全」の著者ジャスパー・モリス氏も2004年に死去した父ロベール・アンポーの後を継いだミシェル・アンポー氏の独自路線とワインを高く評価し、「ポレ・ド・ムルソー(オスピス・ド・ボーヌの競売[栄光の3日間]の最後を締めくくる収穫祭)での恒例のブラインド・ティスティングで圧倒された記憶がある」と記しています。

 これ程の優良ドメーヌが日本であまり知られていない理由は、ドメーヌのワインの大半が米国へ輸出されること(*1925年にムルソーから米国に初めてワインを輸出した生産者がロベール・アンポーで、これにより、米国で評判となり、それ以降高い評価を得ています)や、毎年新ヴィンテージがリリースされず、日本で見かけることもあまりないためですが、2014年に現当主のミシェル氏が大病を患ったため、過去数年間ロベール・アンポーのワインが全くリリースされていないこともあります。

 最近ようやく体調が回復されたことで、過去のヴィンテージのリリースが始まりましたが、そのヴィンテージは1990年代というオールド・ヴィンテージで、今回ご案内分も全て、ドメーヌ蔵出しの好コンディションのもので、その状態を保つため、エノテカ経由で購入後、直ちにエノテカ那須エイジングワインセラーに移送・保管中です。

 ドメーヌでは赤も白も造りますが、やはりムルソーの造り手であることから白の評価が高く、ムルソー最高の一級畑レ・ペリエールやラ・ピエス・スー・ル・ボワ、ピュリニー・モンラッシェ一級コンベット等は特にお薦めです。

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【ワイン雑学豆知識(ロベール・アンポーとポティネ・アンポー)】

 長期熟成型ワインのスペシャリストとして名高いムルソーの「ドメーヌ・ロベール・アンポー」とモンテリの「ドメーヌ・ポティネ・アンポー」の関係は、1950年にロベール・アンポーの妹がモンテリのドメーヌ・ポティネの当主アンリ・ポティネに嫁ぎ、この時にアンポー家の妹の相続分の畑が加わったため、夫妻のそれぞれの名前をとってドメーヌ・ポティネ・アンポーが新たに誕生したものです。

 従って、ロベール・アンポー氏は、アンリ・ポティネ氏の義兄にあたります。二人の確執は有名だったようですが、長期熟成型のワイン造りに於いてそれぞれ一家言あったのでしょう。

 ただ、二つのドメーヌは既に世代交代をしており、ロベール・アンポーは、息子のミシェル氏が、ポティネ・アンポーは、孫のヴィンサン氏がそれぞれ当主に就任しています。

 また、今でこそバックストックを持ち、長期熟成したものをリリースすることで評判を得ているポティネ・アンポーですが、ドメーヌの歴史を調べてみると、実はドメーヌ設立当初の1950年代は、天候不順で不作の年が多く、1/3が全くワインが造れず、1/3が凡庸な年、残りの1/3が豊作で秀逸なワインができたそうで、この苦難の時代を、その1/3の秀逸なワインで乗り切れたことから、1960年代以降も不作のヴィンテージ用の保険としてバックストックを持つようになったそうです。

 当時は、不作のヴィンテージのための保険としてバックストックを持つことは常識だったようですが、栽培技術の進歩、選果機、温暖化等により、殆どのドメーヌはバックストックを持たなくなり、今やブルゴーニュにおいては、この二つのドメーヌだけが、長期熟成させたオールド・ヴィンテージをリリースする長期熟成のスペシャリストとして確固たる地位を築いているのです。

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