小さな村「ショレ・レ・ボーヌ」にある偉大なドメーヌ

 絶品の「コルトン・シャルルマーニュ」と「コルトン・ブレッサンド」  の造り手

 【ドメーヌ・トロ・ボー】

       〜Domaine Tollot-Beaut〜


 ショレ・レ・ボーヌはコート・ドールで唯一の国道74号線の東側にある小さな村で、特級畑はおろか一級畑もない地味な存在ですが、その中にあって偉大なドメーヌとして称賛されるのがトロ・ボーです。

 ドメーヌの創設は1880年で、ドメーヌの祖はショレ・レ・ボーヌの村長を務めていたアレクサンドル・トロとその妻のオーレリー・ボーで、この両家の姓をとってトロ・ボーとなりました。

 その後、このドメーヌは1990年代までジャック、アラン、フランソワの三兄弟により運営され、1970年代から1980年代を通じて、上質で財布にも優しいワインの造り手としてグルメ雑誌等に紹介され好評を博します。

 現在は、三兄弟のそれぞれの子供たちに世代交代し、いとこ同士のジャン・ポール(アンヌ・グロの夫)、オリヴィエ、ナタリーが共同でドメーヌの運営にあたっています。

 ドメーヌの所有する畑は下の所有畑一覧表の通りですが、アロース・コルトン、ボーヌ、サヴィニー・レ・ボーヌ、そして本拠地のショレ・レ・ボーヌに畑をもち、とりわけコルトンの丘にはコルトン・ブレッサンドとコルトン・シャルルマーニュ、それにクリマ名のつかないコルトンの特級畑を有し、合計面積は20haを超える大ドメーヌに成長しています。

 トロ・ボーのワインはどの銘柄も果実味豊かでタンニンが丸く、とても洗練されたスタイルで野暮ったさが一切感じられず、またヴィンテージごとの出来不出来の差も少ないと高く評価されていますが、ドメーヌの看板ワインは何と言ってもコルトンの特級畑から産まれる赤の特級コルトン・ブレッサンドと白の特級コルトン・シャルルマーニュです。

 下の写真の通り、2010年1月美術出版社発行の「ワイナート54号(コルトン&コルトン・シャルルマーニュ特集)」の中で、ドメーヌ・トロ・ボーのコルトン・ブレッサンドとコルトン・シャルルマーニュはこのアペラシオンを代表するワインとして大きく紹介されています。

 特にトロ・ボーのコルトン・シャルルマーニュは、コルトンの丘東斜面の最も標高の高いル・コルトンの区画のもので、僅か0.24haの極小畑から造られるコルトン・シャルルマーニュは、レモン、グレープフルーツ、ハチミツのアロマを持ち、ミネラルの緊張感とともに果実の甘さも感じられる絶品ですが、生産本数が1000本程度と少ないため、真っ先に市場から消えてしまう稀少人気ワインです。

 また面積0.91haの特級コルトン・ブレッサンドは、このクリマを代表する長熟型のワインとして知られ、1953年と1955年植樹の古木の葡萄から造られます。よくある平板なコルトンではなく、コルトンの特徴と神髄を備えている逸品です。

 トロ・ボーのワインでもう一点特筆に値することは、レジオナル・クラスのワインの秀逸さです。ブルゴーニュの著名生産者の中で、レジオナル・クラスのブルゴーニュ・ブランやブルゴーニュ・ルージュまでがこれほど優れている造り手はそうはいないと思います。

 ブルゴーニュ・ブランは特級コルトン・シャルルマーニュ以外に造る唯一の白ワインで、樹齢60年の区画の葡萄も含まれており、「樽香がやや弱めのコルトン・シャルルマーニュ」とも評価され、「気軽に飲むにはもったいない」とされる稀少人気ワインです。また、ブルゴーニュ・ルージュも2006年から村名格ショレ・レ・ボーヌの一部をデクラセしてブレンドしており、ACブルゴーニュの水準を超えたワインとしてこちらも人気があります。

 ドメーヌ・トロ・ボーは、近年のブルゴーニュワインの価格高騰の中でも、上質で財布にも優しいワインを造ってきており、ブルゴーニュ愛好家には勿論のこと、レストランのワインリストにも欠かせない生産者でもあります。

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