名門グロ一族の流れをくむポマールを本拠とする人気ドメーヌ

 銘柄毎に異なる女性の人物画のエチケットもユニークで人気です

 【ドメーヌ アンヌ・フランソワーズ・グロ】

  〜Domaine Anne-Francoise Gros〜


 グロ家は1804年の初代アルフォンス・グロに始まる二百十余年の歴史を誇るヴォーヌ・ロマネの名門で、四代目のルイ・グロが今日のヴォーヌ・ロマネの名門と呼ばれる、グロ・ファミリーの礎を築き、そして五代目のジャン・グロが『これぞブルゴーニュ赤ワインの模範』であると評価され、一世を風靡しました。

 この伝説の名醸造家ジャン・グロには3人の子供がおり、1988年ジャン・グロが引退するのに伴い、1995年までにドメーヌの畑はミシェル(長男、1956年生まれ)、ベルナール(次男、1958年生まれ)そしてアンヌ・フランソワーズ(長女、1957年生まれ)の3人の子供に分割・譲渡されることとなります。

 1988年にアンヌ・フランソワーズは、ポマールのパラン家12代目当主であるフランソワ・パランと結婚し、それぞれの所有する畑を合わせ10.1ヘクタール分の葡萄の共同栽培を始め、ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロが誕生しました。

 日本でも2007年11月発行の美術出版社の「ワイナート41号(ヴォーヌ・ロマネ特集)」の中で、下の写真の通りドメーヌとそのトップ・キュベのリシュブールが大きく紹介されており、名門グロ家の流れをくむドメーヌとしてよく知られています。

 既にご承知の通り、現在グロの名前を持つドメーヌは四つあります。一つはジャン・グロの長女アンヌ・フランソワが設立したこちらの「ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロ」、二つめは長男ミシェル・グロが引き継いだグロ家嫡流とも言える「ドメーヌ・ミシェル・グロ」、三つめは次男ベルナール・グロが叔父・叔母のドメーヌを引き継いだ「ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール」、そしてジャン・グロの弟フランソワ・グロの娘アンヌ・グロが当主の「ドメーヌ・アンヌ・グロ」の四つです。従って、最初の三つのドメーヌの当主は兄弟妹関係にあり、兄弟妹3人とアンヌ・グロとは従兄妹関係の間柄になります。

 このグロ一族の各ドメーヌはグロ家代々の銘醸畑を相続していますが、グロ家では畑の過度の細分化を防ぐため、例えば長男ミシェル・グロが1860年からの歴史を持つ面積2.12haの一級畑クロ・デ・レアをモノポールで相続するなど、できる限り畑単位で子供達が相続できるようにしました。

 このようにミシェル・グロがクロ・デ・レアを単独所有したことで、1988年から1995年にかけて、ジャン・グロが3人の子供に譲った畑の中でも、アンヌ・フランソワ―ズは父ジャン・グロのフラッグシップワインであったリシュブールを筆頭に、エシェゾーなどの名高いアペラシオンを受け継ぐこととなったのです。

 ドメーヌとしてのアンヌ・フランソワーズ・グロには次の三つの特徴があり、これが人気につながっています。

1.父ジャン・グロから最も素晴らしい畑を引き継いだこと

 長男のミシェル・グロがクロ・デ・レアを単独所有したため、珠玉の特級畑リシュブールとエシェゾーの相続権を放棄し、その結果、二つの特級畑リシュブール(小区画ヴェロワイユ)0.60ha、エシェゾー(小区画シャン・トラヴェルサン)0.26ha、そして多くのヴォーヌ・ロマネの区画名付きの村名格畑等を相続しています。

 

 この相続した畑群の中で、何と言っても特筆されるのは旧ドメーヌ・ジャン・グロの看板ワインであった面積0.60haのリシュブールで、名著「ブルゴーニュワインがわかる」の中で、著者マット・クレイマーが、「濃密でタンニンの強い重厚なさまは、”リシュブールの模範”」として称賛した素晴らしい畑です。

2.村名ヴォーヌ・ロマネを区画毎に単独で仕立てていること

 村名ヴォーヌ・ロマネは、僅か0.36ha所有のモノポールの「クロ・ド・ラ・フォンテーヌ」を始め、「メズィエール0.28ha」、「レ・シャランダン0.34ha」、「オー・レア1.63ha」をアッセンブルすることなく、それぞれ畑毎に単独で仕立てており、ここにもテロワールを大切にする姿勢が現れています。

3.美術書に掲載されるほど秀逸で人気のエチケットであること

 ドメーヌ・アンヌ・フランソワーズ・グロのボトルのエチケットには、あたかもそのワインのエレガントさを映し出すかのように下の写真のように銘柄ごとに(同じ図柄もあります)数種類の異なる女性の人物画が描かれています。現在、そのラベルが有名になり、美術書に掲載されたり、ワインコレクターに「全ての顔を揃えたい」と言われるほど好評を博しています。

 この1994年から始まったサンギーヌ技法(赤系色のチョークタッチ)で描かれた人物画のワインラベルは、サンギーヌの人物画家であるマリ・ポール・ドヴィール・シャブロールによって描かれたもので、各テロワールの特徴とアンヌ・フランソワーズの愛娘、カロリーヌとロザリーの表情を元にデザイン画を共同で考案したそうです。

 このサンギーヌ技法は『最後の晩餐』のためのデッサンに用いたレオナルド・ダ・ビンチをはじめ、ミケランジェロ、ラファエロら、15〜16世紀の画家たちに広く採用されていたもので、質量感や雰囲気の表現に特に適しており、この技法を用いたアンヌ・フランソワーズ・グロのエチケットは「ネックレスの中央の真珠」と称えられるヴォーヌ・ロマネらしいエレガントな雰囲気を漂わせています。ちなみに夫フランソワ・パランの造るワインのラベルは黒トリュフをあしらったものでした。

 このエチケット導入のもう一つの理由は、従姉妹のアンヌ・グロとの区別を図るためでもあったようです。アンヌ・グロの父はジャン・グロの弟のフランソワ・グロで、1995年に娘のアンヌ・グロにドメーヌを譲るまではドメーヌ・フランソワ・グロという名称だったので、名称が似ていて消費者も運送業者も混乱していたようです。参考までに、フランソワ[Francois]は男性の名前で、フランソワーズ[Francoise]は女性の名前です。

 また、醸造においては、葡萄の濃縮感、凝縮感をあえて高める果汁濃縮機を利用しないナチュラルなスタイルでワイン造りを行っており、熟成は樽で12ヶ月〜18ヶ月、新樽率は村名50%〜70%、グラン・クリュは100%で、タフなフルボディーではなく、一見細身で美しく、しかし芯に強さがあるエレガントなワインが造られています。

 このように優しくエレガントなワイン造りにより生まれたアンヌ・フランソワーズ・グロのワインは、ピノ・ノワール本来の持ち味を見事に引き出したワインとして、ブルゴーニュ愛好家に常に人気を誇っています。

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