特級畑リシュブールを所有し、DRCに次ぐ畑面積のグラン・ゼシェゾーとエシェゾーのスペシャリストとして有名な造り手

 【ドメーヌ・モンジャール・ミュニレ】

  〜Domaine Mongeard-Mugneret〜


 モンジャール家のワイン造りは1620年から始まり、現当主のヴァンサン・モンジャール氏が8代目当主という由緒ある造り手ですが、現在の名称のドメーヌは、1945年にウジェーヌ・モンジャールとエドメ・ミュニレとの婚姻により創設されました。現当主ヴァンサン・モンジャール氏の父でヴォーヌ・ロマネ村の村長も務めたジャン・モンジャール氏の活躍した1970年代から1980年代にかけて高い名声を築きました。

 現当主のヴァンサン氏は、父の世代に比べ、やや樽香を抑えた洗練されたワインを造るようになり、テロワールの特徴を活かした濃縮した果実味と、樽香、フィネスを兼ね備えたワインを作り、時代と共にドメーヌの名声さらに高めてきました。現在、下の所有畑一覧表の通り、ブルゴーニュに約30haもの畑を所有する大規模生産者となっています。

 下の美術出版社発行の「ワイナート41号」掲載写真の通り、ドメーヌ・モンジャール・ミュニレのトップ・キュベは「百花の香」と称えられる特級畑リシュブールで、小区画はヴェロワイユではなく、「心臓部の小区画レ・リシュブールの僅か0.31haの畑から造られる稀少品」です。

 しかも、レ・リシュブール内での区画の位置は、北がドメーヌ・ルロワ、南がドメーヌ・ジャン・グリヴォ、東がDRCに接するという好立地にあります。余談ですが、ドメーヌ・モンジャール・ミュニレは、ヴォーヌ・ロマネの入り口にある「ル・リシュブール」というホテルレストランも経営しています。

 ドメーヌではトップ・キュベのリシュブールを始め35ものアペラシオンを造っていますが、とりわけエシェゾーとグラン・ゼシェゾーはモンジャール家の起源とも言える最も大切なクリマで、それぞれ2.6ha、1.44haという畑面積は、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティに次ぐ広さです。但し、DRCのエシェゾー面積は4.67haですが、1988年にロマネ・サン・ヴィヴァン取得の際、全て売却し、新所有者から借りていますので、エシェゾーについてはモンジャール・ミュニレがNo.1の所有者です。

 ドメーヌ・モンジャール・ミュニレは、下の美術出版社発行の「ワイナート70号(2013年4月発刊)」の通り、「グラン・ゼシェゾーとエシェゾーのスペシャリスト」あるいは「クリマの特徴を知り尽くした安定感のある造り手」として日本でも大きく紹介されています。

 特にエシェゾーについては、スペシャリストと評価されているように、大変なこだわりがあります。これまでモンジャール・ミュニレは、エシェゾーに三つの小区画を所有していましたが、この三つの小区画からの葡萄を別々に仕立て、次の通り、三種類のキュベを造っていました。「豊満で肉付きの良いレ・トゥルー」、「複雑でエレガントなエシェゾー・デュ・ドゥスュ」という各小区画の特徴とマーケティング(顧客の嗜好)を理解してのことで、エシェゾーのスペシャリストと呼ばれる所以です。

(1)エシェゾー・デュ・ドゥスュ(Echezeaux du Dessus):0.84ha→フランス国内や日本向きのエシェゾーとして瓶詰め

(2)レ・ルージュ・デュ・バ(Les Rouges du Bas):0.44ha→1929年の古樹で、「エシェゾーV.V.」として瓶詰め

(3)レ・トゥルー(Les Treux):1.32ha→アメリカ向きのエシェゾーとして瓶詰め

 しかし、2011年にレ・ルージュ・デュ・バの小区画は売却したため、2011年ヴィンテージを最後に「エシェゾーV.V.」はリリースされなくなりました。 その代わりとして2012年からリリースを開始したのが、「エシェゾー ラ・グランド・コンプリカシオン」で、これはエシェゾーのレ・トゥルーの小区画の上部にある僅か0.3haの畑に1945年に植樹された古樹の葡萄で造るワンランク上のエシェゾーとなっています。但し、2011年まで造っていたレ・ルージュ・デュ・バの古樹の葡萄を使った「エシェゾーV.V.」とは別物なので、この名称をつけています。

 ドメーヌのトップ・キュベは、僅か0.31haを所有する珠玉の特級畑リシュブールで、しかも小区画はヴェロワイユではなく、心臓部のレ・リシュブールにあります。また、レ・リシュブール内での区画の位置は、北がドメーヌ・ルロワ、南がドメーヌ・ジャン・グリヴォ、東がDRCに接するという好立地にあります。余談ですが、ドメーヌ・モンジャール・ミュニレは、ヴォーヌ・ロマネの入り口にある「ル・リシュブール」というホテルレストランも経営しています。

 ドメーヌ・モンジャール・ミュニレは、テロワールの個性を存分に活かしたブルゴーニュの王道ともいえる味わいを高品質で幅広く世に広く伝えることの出来る造り手の一人で、「手のひらが描かれたお馴染みのエチケット」は、「良いワインは畑からでき、その畑で徹底して働く」という意味を持っているそうです。 どのヴィンテージにおいても常に比較的リーズナブルな価格で高い品質と満足度を約束してくれる素晴らしいドメーヌです。

【雑学豆知識】  

 モンジャール・ミュニレのボトルを扱っていますと、銘柄によってボトルの大きさが異なることは経験上分かっていましたが、最新ヴィンテージ2018年の複数の銘柄が入荷してきましたので、ボトルの周囲の長さを測ってみました。

 その結果は、次の通りで、やはり銘柄によって使い分けていることがわかりました。

1.リシュブール:瓶周囲29.5cm

2.エシェゾーとグラン・ゼシェゾー:瓶周囲27.5cm

3.ブルゴーニュ ピノ・ノワール:瓶周囲26.0cm

 特級ワインのボトルの周囲がレジオナルより長いのは、分厚い重量級ボトルで、瓶底の凹みが深く、その分、瓶の直径が大きくなるためですが、特にリシュブールのボトルは、瓶底の凹みが極端に深いため、その分直径、更に高さまでも、他の銘柄よりも少し大きいボトルとなっています。なぜ、リシュブールだけがこのような凹みが深い(瓶の内側では凸部が高い)ボトルを使用しているのでしょうか。

 一般的にはワインボトルの底の凹みは、長期熟成の場合に沈殿する澱を溜めておく機能があります。また、ウォーター・ハンマー現象といって、底が平らな瓶が底から衝撃を受けると底面積に比例する衝撃が液体の中を伝って瓶の口部分に集中することとなり、ワインの瓶口は小さいため、ワインのコルク栓が吹き飛んだり、液漏れすることがあります。ブルゴーニュの場合、ボルドーのように幾つかの葡萄品種をアッサンブラージュするわけではないので、澱の心配はあまりないでしょう。従って、エシェゾーやグラン・ゼシェゾー等の凹み、そしてリシュブールのボトルの極端に深い凹みはウォーター・ハンマー現象を防ぐためではないでしょうか。

 ドメーヌの公式HPには何も書かれていないので、想像するほかはありませんが、長期熟成への対応と保管・輸送中のリスク極小化を考慮したボトルで、ここにもモンジャール・ミュニレの良心的な心使いを感じます。

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