2009年にアルマン・ルソーに売却され、今や「幻となったシャンベルタン」

 【ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン】

  〜Domaine Jean Claude Belland〜


 [ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン]、このドメーヌをご存知の方は、かなりのブルゴーニュ通ですね。

 実は、コート・ド・ボーヌの南端サントネイを本拠とする、この無名の「ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン」が日本のワイン業界やブルゴーニュ愛好家の間で話題になったことは、過去三回あります。

一回目は、

 1987年に現当主であるジャン・クロード・ベラン(当時はまだドメーヌは相続しておらず、父のドメーヌ・アドリアン・ベランの時代)が、大御所ルイ・ラトゥール家の親戚にあたる、フランソワーズ・ヴィエイヤール嬢と結婚したことにより、ルイ・ラトゥール家の所有する、コルトンやコルトン・シャルルマーニュ、シャンベルタンといった名だたる銘醸畑を引き継いだ時で、いわゆる「逆玉」となった、この小さな無名のドメーヌは一躍脚光を浴びることになりました。

二回目は、

 2008年3月発行のワイン専門誌「ワイナート43号」の「至高のブルゴーニュ 今飲むべきはシャンベルタン」特集の中で、「ラトゥール家から畑を引き継いだ注目のドメーヌ」として下の見開き写真の通り、紹介された時です。

 この中で、ジャン・クロード・ベランは、サントネイで五代続く、高品質なワインを造ってきたドメーヌであることが紹介されました。そして同時にラトゥール家から継承したシャンベルタンは、あの有名なアルマン・ルソーに近接した0.41haの優良区画であり、凝縮した果実味と堅牢なミネラル感が高次元で調和する完成度の高いワインとして称賛されています。

三回目は、

 2010年に、日本のワイン市場で、突然、複数ヴィンテージのジャン・クロード・ベランのシャンベルタンが、一挙に、しかも1万円前後の価格で販売された時です。

 その際は、シャンベルタンの区画がアルマン・ルソーと近接していること、ワイナート43号で紹介された優良生産者であること、そして何よりも1万円台の価格でシャンベルタンが味わえるということで、話題となり、すぐに完売となりました。

 この後、今日まで、なぜかドメーヌ・ジャン・クロード・ベランのワインは一切リリースされることはなく、ドメーヌの名も聞くことはありません。

 しかし、2012年11月発行の「ブルゴーニュ・ワイン大全(ジャスパー・モリス著)」のシャンベルタンの所有者一覧の中で、「ベランの所有する0.41haの区画が2009年にアルマン・ルソーへ売却」その結果、「アルマン・ルソーの所有するシャンベルタンの畑面積は2.15haから2.56haに増加」との記述を見つけました。

 更に調べていくと、ドメーヌ・ジャン・クロード・ベランは2009年にドメーヌを売却し、所有区画は「ちりぢり」になったことが判明しました。

 そして、ここでようやく、2010年になぜ複数ヴィンテージのシャンベルタンが大量に低価格で放出されたのか合点がいきました。ドメーヌ売却の理由はわかりませんが、ドメーヌのセラー保管分を一挙に在庫処分をしたためと思われます。

 ドメーヌにどういう事情があったかは分かりませんが、ドメーヌ・ジャン・クロード・ベラン所有のシャンベルタンの畑は、2009年以降はアルマン・ルソーのシャンベルタンの畑となったわけですから、もはや二度と現れることのない「アルマン・ルソーと同じテロワールを持つ幻のシャンベルタン」となりました。

 従って、この2010年の際に売り出されたシャンベルタンをご購入になった方は非常にラッキーと言えるでしょう。

 下に特級畑シャンベルタンの所有者区画図を掲載します。2009年にアルマン・ルソーが取得したジャン・クロード・ベランのシャンベルタンの区画を確認して下さい。確かにルソー家の区画の直ぐそばにあり、[畑上部から下部に至る東西に縦長の区画形状]であるのが分かりますね。

 また、この区画は元々ルイ・ラトゥール一族との婚姻により、分割・相続されたものなので、北側(地図では右側)に隣接する区画の所有者はルイ・ラトゥールとなっています。このようにブルゴーニュにおいては、婚姻や死去に伴う相続により、畑が分割・細分化していきます。

 不動産の世界では、「隣の土地は借金をしてでも買え」とよく言われますが、ブルゴーニュの銘醸畑が売りにでることは極めて希であることから、シャンベルタンの帝王ルソー家にとっては、まさに「渡りに舟」だったことでしょう。

 さて、今回当店が販売するドメーヌ・ジャン・クロード・ベランのシャンベルタンのインポーターは、エノテカで、輸入・通関後、そのまま設備と環境に優れたエノテカ那須エイジングセラーに寝かせていた好コンディションのものです。ワインの液面やエチケットの状態を点検するために、2016年7月初旬以降、順次店舗内セラーに移し、販売中のものです。

 しかも、ヴィンテージは、シャンベルタンにとって最優良年の2003年です。一般的には2003年のジュヴレ・シャンベルタンの評価はあまり高くはないのですが、元々粘土質で涼しいシャンベルタンは、霜と高温と乾燥で収量が激減した2003年ヴィンテージでは、異次元の凝縮度となった優良年となっています。偉大なテロワールのマジックは、このような例外的な年に存分に発揮されるのです。

 ワインの品質を決定する三大要因は土地と天気と生産者ですが、土地(畑)が良くなれば良くなるほど、残り二つの要因の重要度は下がります。

 今回販売するドメーヌ・ジャン・クロード・ベランのシャンベルタン2003は、あのアルマン・ルソーと同じテロワールを持ち、しかも天候に恵まれた年のヴィンテージですから、当然評価も高く、前述の「ワイナート誌43号」では、「濃厚な果実味。堅牢な構造と華やかさが両立し、余韻は太く、長い。クリマの個性が良く表現されている真面目で安定感がある」として95点の高得点をつけています。

 しかも価格はアルマン・ルソーの実に1/10程度で、しかも13年もの熟成の時を重ねたシャンベルタンは、ドメーヌ自体が既に売却され、消失していることから、もう二度と現れることのない「珍品」とも「幻」とも言えるもので、「入手困難な最高峰生産者とは異なる意味での稀少ワイン」です。

今やルソー家に売却され幻となってしまったジャン・クロード・ベランのシャンベルタン!! 

ワインについての蘊蓄も話題性も十分のジャン・クロード・ベランのシャンベルタン!!   是非この機会をお見逃しなく。

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